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あとりえずTOKYO Ⅳ 通勤路

2021.01.11

仕事場を引越し、通勤路も変わった。
新しい通勤路は、大江戸線新江古田駅乗車の東新宿駅下車。
しかし、一日に8000歩、歩く目標にしているので、丸々地下鉄に乗ると歩数が足りなくなる。
そこで、自宅から中井まで歩き、こから東新宿まで地下鉄を利用することにした。
この歩きの区間には、いい住宅地が広がっている。
中井駅近くは緑も多く、階段道がある。
その階段道の左側のお宅は林芙美子邸.
ご存じの方が多いと思うが、林芙美子は「放浪記」などで知られた小説家。

建物の設計は山口文象という、これも有名な建築家の手になるもの。
山口文象は日本における初めての近代建築運動、分離派のメンバーの一人。
のちのRIA設計事務所の創設者でもある。
林邸は現在は新宿区立の記念館となって保存されていて、見学できる。。
日本家屋の古めかしさがないわけではないが、 実はこの建物は僕の好きな建物の一つで、
窓の取り方が自由自在で建築家として大変勉強になる建物。

このような建物を横目に通うのは楽しい。

本が出ます

2020.12.30

数年前から書き続けていた本の原稿をやっと脱稿し、新年から印刷、出版ということになりました。
本のタイトルは「住宅設計の考え方」586頁の、結構重い本です。
彰国社より新年1月末に刊行の予定です。

文章と、図面、写真からなっていて、相互に関連性を持たせる作りになっています。
文章、図面、写真はそれぞれ、建築家が何を考え、どのようにして作り、どのようなものを作ったか、と対応しています。
これまでに単著は3冊出版していますが、600頁近い本は初めてで、これまでとまるで勝手が違いました。
200頁くらいの本だと100mか400mの短距離競争のようだけど、今回はマラソンのようだった。
出版になったら本屋で手にしてみてください。
泉のところに言っていただければサイン付き、握手付きでお分けします。

この本を出すまでは絶対死ねない!というくらいの思いでやっていたので、まぁ出来て、ふーって感じ。
が、書き終わったら、もう次に出したい本のイメージがモクモクと湧き上がってきています。

あとりえずTOKYO Ⅲ

2020.12.16

最近引越した「あとりえずTOKYO」は地下鉄、東新宿が最寄り駅だが、
新大久保駅からも歩ける距離。
大久保は かつてよりマスクの値段が安 かった。
外人が多く、仕入れに何か特別のルートでもあるのだろう。
最近見かけたマスクはなんと、50枚入りで299円!

ところがさらに上があるもんで、

なんと190円!
本当のところ、元値はどうなってんだろうな?

而邸24-狩野派

2020.11.28

この時期は太陽高度が低くなり、而邸(我が家)の障子にこのような影が映る。

枝垂桜の陰で、まだ葉が少し残っている。
狩野派にしては少し華奢だが、いい具合に絵になっている。

Apartmentふじ

2020.11.22

副都心線、池袋駅、そのもっとも要町よりの出口から徒歩3分、
今建設中の集合住宅「Apartmentふじ」が間もなく完成します。
建物のゲートを入ると、回廊に囲まれた静謐な中庭に出ます。
今年の暮はこの中庭で餅つき大会が開かれる予定。
楽しい集合住宅になるでしょう。

回廊の手摺や壁は板金仕上げ。
板金仕上げは名工、新井勇司さんの手によるもの。
手摺は一枚一枚の幅が違い、上部のひし形の壁は鱗葺(鱗葺)と呼ばれる葺き方です。

あとりえずTOKYO Ⅱ

2020.11.14

東新宿に引っ越しして1か月ちょっと経ちました。
引越しは大変だったけど、やっと落ち着きつつあります。
引越しでは、花屋ができるのではないかと思えるほど、
沢山の花を頂きました。

まだ看板ができていないので、通りがかりの人が、ここは何屋さんだろうと思うらしく、
「ここは喫茶店?このあたりにしてはオシャレね。」と言ってくれたりする。

この建物には現在5つの建築の設計事務所が入っていて、
週に一度は当番で昼ご飯を作って食べることにしている。

それにいろんな人が寄ってくれる。
思ってた以上に楽しい場所になりそうだ。

而邸 # 23 中秋の名月

2020.10.08

而邸(自宅)の寝室の天井にはトップライトがついている。
寝室だから、朝方眩しくないようにブラインドがついている。
ベッドに入り天井を見上げたらブラインドの隙間が、いつもよりボンヤリとして明るい。
変だなー思って、ブラインドの角度を調整したら煌々とした満月の月が!
そう、今日(10月1日)は中秋の名月だったのだ。

引越しします

2020.09.20

30年ほどお世話になった雑司ヶ谷から、来週24日に東新宿へ引越しします。
これまでに250ほどの建物を作りましたが、そのほとんどをこの雑司ヶ谷のマンションで設計しました。
だからこのマンションには僕の建築家人生の沢山の思い出があり、ここを出るのに少し寂しい気持ちもあります。
しかし引越しを決めたのには夢がありました。

新しい設計事務所は東新宿駅に近い。
東新宿駅は副都心線と大江戸線が交わっていて、
交通の便は大変良く、皆が集まりやすい。
その東新宿の小さな建物に泉事務所の出身者や、僕の知り合いのさまざまな年代の建築家が入ります。
現在五つの事務所が入り、もう少し増える予定です。
そして、これまで通りに泉幸甫建築研究所は継続しますが、皆で共同の設計事務所「あとりえずTOKYO」も立ち上げます。
大きな仕事をやれるようにするとともに、自分がこれまでに培ってきた知識、経験を若い皆に伝えることができたらと思っています。

建物名「あとりえずTOKYO bldg.」の 上階は設計事務所、1階は多目的に使うスペース。
1階ではもちろん設計のための打ち合わせや、セミナーや様々なイベントを行いたいと思っています。

新住所は 新宿区大久保 2-7-13 4F tel : 03-6278-9192
ぜひお寄りください。


寺大工vsプレカット Ⅰ

2020.08.10

今建設中の軽井沢の別荘には、直径40~50㎝、長さ6mの太鼓落としの杉の棟木が使われています。
この棟木は宮大工の手加工によるものです。
大工が鑿(ノミ)や鉋(カンナ)で加工する風景はほとんど目にしなくなっている。今やプレカット加工(人の手でなく機械で骨組みを刻む加工)が90%以上を占めていて、プレカット加工の隆盛と大工技術の劣化が相まって進行してきた。
中には優れた大工もいるが、むしろ下手な大工が刻むより、プレカット加工の方がずっといいことが多い。
しかし、プレカットが敵わない大工がまだいるもので、この現場の建設会社の大工の仕事がそうだ。
下の写真を見てみて下さい。
これ、手刻みです!
何十年か前には見にすることができた木の加工の姿を思い出した。

Apartment藤(ふじ)

2020.06.20

副都心線、池袋駅のもっとも要町よりの出口から徒歩3分のところに、
今建設中の集合住宅「Apartment藤」の現場があります。
豊島区池袋は人口密集地の活気ある街です。
そのようなところに相応しい、何だか中国の客家(はっか)か、
かつて上海にあった九龍城を思わせる元気印の集合住宅を考えました。
準耐火構造、木造3階建です。
下の写真は模型で、1階のゲートを入ると、回廊に囲まれた中庭に出ます。

この中庭を下から見上げた模型写真です。
住人は皆、この中庭に面した回廊や階段をぐるぐる回って各住戸へ入ります。
階段や回廊は太い磨き丸太が支えています。

上棟したのは先週。
で、実際はどうかというと、
同じく下から見上げた現場の写真です。
中庭には、今足場板が敷いてあって、全体を見渡せませんが、
この中庭では、いろんなイベントが開かれる予定で、
今から、イベントの賑やかな音が聞こえてきそうです。
完成は今年の暮れ、
楽しい集合住宅になると思います。

ながみひなげし Ⅱ

2020.06.17

先月書いた」「ながみひなげし」の続きです。
暫くして同じ道を通ったら、あの赤い花がこのようになっていました。
これも可愛い。

近くまで寄ってみたら、ホントに可愛い。
でも、この中はどうなってるのだろう?

仕事場に持って行き、可愛いとは思いながらも、
カッターナイフで切ってみたら、 中から種がいっぱい出てきた。
成る程、これだったら繁殖が旺盛なのも頷ける。
下記は「ながみひなげし」についての農環研ニュースからの引用です。
「一つの実に平均1600粒の種子が内蔵されおり、一個 体から100個の実をつけることもあるので、最大で一 個体から15万粒の種子が生産されます。種子の表面 にはくぼみがあり、でこぼこしており、車のタイヤな どにくっつきやすくなっています。梅雨時に種子がで きるので、道路の中央分離帯にできた種子が、雨で濡 れた車のタイヤにくっついて運ばれ、道路沿いに分布 を広げていると思われます。交差点の信号の付近に特 にナガミヒナゲシの群落が見られるのは、タイヤに着 いた種子が信号待ちで落ちるためと思われます。」
とのこと、 なるほど!

ファクターX Ⅱ 靴を脱ぐ

2020.05.31

日本の新型コロナウィルスの感染率の低さについて、何らかの要因があるのではないかとの山中先生の仮説を最近書いたが、それとは別に、日本人は部屋に上がるときに靴を脱ぐことで、家の中にウィルスをまき散らさない、ことにあるのではないか、との説を最近耳にする。
建築に携わるものとして、ファクターXに日本の住宅の特質が関係しているかもしれないというのは、興味ある話である。
そう言われてみれば、日本も韓国も靴を脱いで部屋に上がり、どちらも感染率が低い。全く関係なしとは言えないかもしれない。
しかし、日本、韓国が靴を脱いで部屋に上がることは有名だが、意外と靴を脱いで部屋に上がる習慣は他の国にもある。
オランダや東ヨーロッパ、イランは室内で靴を履かないようだし、その他の国でも、作業靴はダメだが他の履物はいいとか、絨毯の上はダメとか、アジアではタイやベトナムでは靴を脱いでいる姿ををよく目にする。
だから意外と様々。
しかし様々だからこそ、ウィルスとの因果関係の研究はやり易いのかもしれない。多分、この研究は誰かがやるに違いないから、結果が楽しみだ。
余談だが、フローリング(木の床材)がヨーロッパでも最近広がりつつあり、それと共に靴を脱ぐ習慣も広がってきているらしい。

奇跡のコスタリカ

2020.05.26

コスタリカという国の名前を聞いたことはあったが、どのような国かさっぱり知らなかった。
北米と南米の間のくびれたところの、どこかにあったような気がする、くらいであった。
しかし、10年くらい前か、この国に興味を持つようになった。
なんと 70年以上非武装を貫いてきた 国、つまり日本の憲法9条を本当に実践している国であるということ、軍備にお金を使わないことで浮くお金を、教育社会福祉医療に当てていること、しかも環境保全に力を入れ、 国の3分の1が自然保護区になっているて、持続可能エネルギーを推進し、その90%以上を実現しているという、なんともとてつもないことを実践している国であることを知った時からだ。
コスタリカについてはこちらへ
で、この国が今回のコロナ禍でどうなったか調べてみた
だって、軍備を放棄し、医療に国の予算を向けているのだから、今その結果が試される時でもあるからだ。 調べてみると、新型コロナウイルス感染者数は951人、死者数10人(5月25日現在)にとどまっている。隣国のパナマに比べてもはるかに低い。
コスタリカの頃中についてはこちらへ
コロナ問題は、医療としてだけの問題でなく、幅広く考えるべきなんだろう。
戦争も、経済も、教育も、全部繋がっている。

でも、何だかこのようなコスタリカが本当にあるのか、現実のものとも思えない。
是非一度この国に行き、肌で感じてみたい。


ファクターX

2020.05.23

ノーベル賞受賞者の山中伸弥さんがファクターXという仮説をたてておられる。
日本のコロナ対策にはいろいろと批判があるが、どういうわけか死亡者が少ない。
海外からは、「日本の新型コロナウイルス感染対策はことごとく見当違いに見えるが、結果的には世界で最も死亡率を低く抑えた国の一つであり(対応は)奇妙にもうまくいっているようだ」といった声がある。
日本人でもそう思っている人は多いと思う。
山中先生は、「日本の感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは、絶対に何か理由があるはず」そしてそれを、その理由をファクターXと呼んでいる 。
理由を探すだけでなく、その先が科学者が研究者たるゆえんで、
ファクターXを明らかにできれば、今後のコロナ対策戦略に活かすことが出来るはず、としていくつか仮説を紹介している。

ファクターXの候補
・感染拡大の徹底的なクラスター対応の効果
・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
・日本人の遺伝的要因
・BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
・2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
・ウイルスの遺伝子変異の影響
それから最近発売の文芸春秋では「新型コロナウィルスには、軽症で済むS型と、そこから変異したL型の2種類が存在するという説があります。この比較的、弱いS型が、L型よりも早く中国から日本へ伝搬したことで、日本人の一部はすでにウィルスに対する免疫を持っている、…」という上西保さんという方の説を紹介している。
山中先生のブログはこちら



ながみひなげし

2020.05.21

自宅から駅に行く途中の空き地に、綺麗な花が一面咲いている。
紫の花も混じって、見事だ。
コロナ禍の中でホッとする。

オレンジ色のポピーのような花はナガミヒナゲシというらしい。
ところで、何故この花の名前を知っているかというと、
4年前に、この花についてこのブログで書いたら、
次のようなメールを送ってくれた人がいた。
www.naro.affrc.go.jp
ウ~ン、綺麗なものが生態系を壊す、
成る程、綺麗、綺麗でないは関係ないんだな。
奇麗な花と言って安心できない。

寄せ植え

2020.05.05

前回の書き込みの「7年前に建てた住宅」の建設地は小高い山の上にあります。
取材の後、カメラマンと現地で分かれ、僕は一人でダラダラと山を下った。
そうしたら途中に立派な楓の木があった。
なかなか立派な楓だなー、と思い、スマホでパチリ。
木下の方を見ると、2本の株立ちのようである。

ところが、この木の真横まで来てビックリ!
株立ちではなく、二本の寄せ植えだった。
こうなっているとは、遠くから見たときには想像だにできなかった。
しかも左の木は、オットット―、なにやら右の木に迫っているようではないか。

ところで、上記の木は意図して寄せ植えしたのかどうかわからないが、
次の台湾大学のキャンパスの中にあった寄せ植えは見事だった。
例のごとく遠くからは気を付けてないと一本立ちと思うが、
横から見ると、見事な寄せ植えだった。

本を出します Ⅰ  7年前に建てた家

2020.04.25

3~4年前から出版を準備してきた本があります。
多分、600頁は越えそうな大部の本です。
この本を出さないと、死んでも死にきれない、そんな思いでリキを入れてきた本です。
本当は、本を出すときはこの「本当は」、という言葉がつきもので、1~2年前には出す予定でした。
やっとこの7月には出せそうです。
文と、図面、写真を同じくらいの割合で編集してある本です。

ところで、この本を作るにあたって、これまでに作ったお宅を久し振りに尋ね、写真を撮らせてもらったお宅が何軒かあります。
下の写真はそのうちの一つで、7年前に作った建物です。
建築写真を撮るときは普通片付け、綺麗にして撮るのですが、この写真は何も片づけない、そのままの状態です。
本当にきれいに使ってもらっていました。
うれしいですね!
この建物では、玄関が畳で、客室にもなる変わった玄関で、そのことを本に書きたくて取材に行ったのですが、一軒丸ごと機会があれば雑誌に発表させて頂きたいと思っています。
カメラマンも発表しないのはもったいない!とのこと。
益々うれしくなった。

リビング

三つ指をつきたくなるような、畳の玄関

梅の古木

2020.04.22

先月僕の田舎に細川忠興が植えたと言われる梅の古木、臥龍梅のことを書きましたが、それは現在建てているお宅の庭に植える、梅の古木探していることからでした。
その梅が見つかり植えました。
探してきてくれたのは、若いが熱心な庭師の西村直樹君。
寂びた、なかなかいい梅の古木です。
梅の後ろの石積みも西村君の手によるもので、木曽石を積んだもの。
梅の下には寒椿を植える予定です。

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