2011年02月の
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饗食の銀シャリ

2011.02.21

下呂(下呂温泉の下呂)出身の所員のK君が、日本一美味しい米が田舎から送ってきました!とのことで、
昼ご飯は米を炊いて皆で食べることになった。
(ときどきパスタはやっているけど御飯を炊くのは初めて)

事務所の近くには美味しい店がなく、昼食にはいつも困ってしまう。
米の名前は「龍の瞳」という。
なかなか入手できない幻のコメらしい(K君談)。

せっかくの米ならばと、
炊いて皆で食べようよ、となって、
炊飯器はどうするか、オカズは何にするかと2~3日前より打ち合わせ。
炊飯器はFさんが五合炊きを持っているとのことで、リュックに背負って持ってきてくれた。
また田舎の磐田から産直でシラスを取り寄せてくれた。
青森出身のK君は「燻りガッコ」を供出。
もう一人のK君は自宅で使う予定の山芋を供出。
他の所員は持ち合わせがなく供出物なし。
買ってきた卵焼きなどの惣菜代は泉が供出。

そのようにして本当においしい昼ご飯にありつくことができた。
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ご飯も本当においしかったが、
皆で作り、シェアして食べることでさらに美味しくなった。

孤食という言葉があるけど、
その反対は共食。

余談だけど、もう一人のK君の修士論文は「供食」に関する、
建築の何ちゃらカンちゃらだったらしい。

名著

2011.02.17

建築関係の人は読むべし。
いい本が出ました。

いつぞや日土小学校を設計した松村正恒のことを書いたことがあります。

この日土小学校の保存再生に深くかかわれた花田佳明さんから、
「建築家・松村正恒ともう一つのモダニズム」という本を出したとの案内を頂いた。

さっそく神田の南洋堂に行って、出来立てのホヤホヤの本を見たのだけど、何と4~5センチもある分厚い本。
それにこの本は博士学位論文が元になっていて、なおさら読み切るには根性が入りそう、に思えた。

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博士論文だから、著者には失礼なことだが重箱の隅をつつくようなことが書いてあるかも、
と最初はちらっと思ったが、とんでもない。

事実を淡々と描いてあるのだが、感動させられたり建築家として身につまされるような内容があったりと一気に読み通してしまった。

松村正恒のことを書いてあるのだが、実は現代建築や建築家に対する全面的な批評となっている。
多少は建築論を読んできたが、これは名著に入れてもおかしくない本だ。

それに余談だが以前紹介したことのある本、「蚯蚓のつぶやき」を書いた河野通祐さんが何度も登場したりした。

本の表紙である上の写真を見ると松村正恒は建築家らしくないスタイル。
髪は七三に分け刈り上げ、それにスリッパを履き、どこかのオヤジとでも言ってもいい風貌。
最近でっかい水玉模様のシャツなぞを着た建築家がいるけど、
松村正恒のこの格好を見せてあげたい。

講演会のお知らせ

2011.02.07

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長野県松本市での後援会のお知らせ、です。

日時は3月12日(土)16:00~18:30

松本市美術館講座室

なぜ民家にモンドリアンのようなファサードが?

2011.02.02

この柱って、行き当たりバッタリに建てたの?
バッタリのようだけど、美しく、何か秩序があるような気もする。
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川崎市の日本民家園にある「旧広瀬家住宅」です。
もともとは甲府盆地にあった17世紀末の農家を日本民家園に移築したもの。

日本民家園に行ったことのある人は、この建物の西側側面を覚えておられると思う。
みんな気になっているようだ。
ふつう民家は規矩正しく等間隔に柱が立っているが、
この側面のリズム感のある構成はどう理解していいかわからない。

行くたびに気になっていたが、ずーっと放っていた。
昨年行ったときに何故?と改めてよく見てみら・・・・
見えてきました、見えてきました!
このようなことでしょうね。
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① 外壁面と垂直方向に間仕切りを作るために柱A B D Fを入れる。
② BD間、DF間はスパンが長いのでC,Fの柱を入れる。
③ 柱間を6、4.5、6、6、6尺と推定する。(4.5尺は6尺の3/4)
(なぜ6、6、6、・・・・とせず間に4.5尺が入ったのかは不明)
④ その結果、棟を支える柱C´はDから2.25尺ズレることになる。
⑤ 梁レベルⅡにおいて、BC´間はスパンが飛んでいるので2等分したところに束を立てることにより、
柱Cと0.375尺(約11㎝)ズレたと理解できる。
⑥ 梁レベルⅡにおいてBC´間、C´E間は等距離なので、梁は水平に一直線につながるはずだが、
柱C´でずれている。それはホゾ抜きし、込栓を打つためにお互いにズラしたと理解できる。

このようにしてモンドリアン風壁面が生まれた。

以上、どうでしょう。

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