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2016年10月の
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会津 Ⅲ 長床 ☆☆
2016.10.30
長床(ながとこ)は前々から見たいと思っていた建物だが、やっと目にすることができた。何度もこの近くを通っていたのだけど…。
なるほど、水平に広がる姿が美しい。
会津は幕末で有名。それだけでなく長い歴史があることは前回書いたが、この長床は会津盆地の北寄りのラーメンで有名な喜多方にあって、平安末期から鎌倉初めに建てられたといわれる建物。神社の拝殿です。
そんなに古い建物だから何度も何度も改修を繰り返し、柱は根継(ねつぎ)だらけ。かつて床はもっと高く持ち上げられていたそうだが、段々と短くなり現在のように基壇からわずかしか上がってない状態になったそうだ。
柱をよく見ると木目が洗われ、年月を経たものだけが持つ深みのある美しさ。
この建物には壁がない。それどころか貫(ぬき)もない。一度だけ江戸初期に地震で倒壊したそうだが、それでも頻繁にある地震によく耐えてきたものだ。貫が使われるようになり建物の強度は格段に向上したが、それは鎌倉以降。
それまでの耐震技術は長押(なげし)によったが、なるほど長床も大きな長押で固めてあるのがわかる。
長床のように壁のない建物を韓国でも見たことがある。屏山書院(ピョンサンソウォン)という建物で、これも美しい。近く世界遺産になるとか。
同じく吹き曝しだが、長床とは微妙に違う。やはり韓国の建物だ。
会津 Ⅱ 左下り観音堂☆☆☆
2016.10.20
会津と言えば、戊辰戦争や会津戦争に代表されるように幕末の物語が印象深く、その前はどうだったかあまり考えることもなかったが、奥州最大の都市だったこともあったらしい。そのようなことから古い建物があるのは当然のこと。
この建物を見て、正直言ってびっくり!
人知れず、会津にこんなに素晴らしい建物があったとは。
もちろん地元の人はこの建物の存在を知っているはずだが、当地以外の人でここににこのような建物があることを知らないのではないか。
いわゆる掛け作りで、何時の創建かははっきりしないらしいが、造りからするっと鎌倉初期。
最上階です。
最上階だけでなく、その下にも2層の床があるが、この空間もいい。
かなり古びて木目が浮き立っているが、それが心地よい。
最近、やっと県の指定文化財になったらしいが、地元の人の憩いの場所として飲み食いが今でもなされ、地元の人に大事に保存されてきたようだ。
柱も根継だらけ。
国の文化財になってもいい建物だと思うが、そうなると地域の人に手の届かないものになってしまい、建物本来のものでなくなってしまう。
會津 Ⅰ
2016.10.11
例年出ている「木の建築賞」の選考で福島県会津へ。
木の建築賞は今年で第12回。日本を4つの地域に分け、毎年順繰りに回って、各地域の優れた木造建築に賞を差し上げるというもの。
今年度は東北の各県に新潟、北海道が審査の対象地域になっている。
近年、建築関係の賞は沢山あるがいい加減な賞が多い。そのような中で木の建築賞は1次選考、2次選考、3次選考が現地審査と丁寧な内容のある討論を経て賞が決定されている。
先週の土曜日に會津で2次選考会が開かれたのだが、いい作品がかなりあったが、その内容については3次の最終選考の後で。
毎年土曜に行われる2次選考の翌日の日曜日には選考会場のある地域の木造建築の見学会が開かれる。
というわけで今年度は会津地方の建築を見ることができた。
會津と言えば有名な栄螺堂(さざえどう)がある。
DNAと同じように2重らせんになっていて、登り下りが別々のルートになっていて、登りが1.5回転し、また降りるのに1.5回るので、計3回転することになる。なぜこのような建物を作ったか、諸説あるようだが、面白いのはレオナルド・ダ・ビンチもこのような2重螺旋の建物を作っていて、その図画が新潟辺りに辿り着き、それに触発されて作ったというのがある。
それは置いておいて、実際に見る栄螺堂はグロテスクというかバロックというか…、こんな濃い建物はそう日本にない。
それにしてもどのようなプロセスを経て作ったのだろうか。
江戸になると今の時代に近い精密な図面も描かれていたから、そのようにして作ったのだろうか? いやいやこの建物を図面にするのは相当に難儀なこと。平面は6角形で。そして人間が立てる階高の4倍の高さの中央と外側に6本の柱を先ず立て、それを元に順次作っていったのではないか・・・など、建築をやっている人間ならではの興味が湧いてきた。
ホームページを作り変えました
2016.10.02
ホームページを作り変えました。
まだ完成形には至っていず、手直しが必要なところがたくさんありますが、できるだけ見て読んで、面白い、楽しい、役に立つことをたくさん書き込みたいと思っています。
ブログでは建築のことはもちろん、世相や読んだ本のことなどなど、日々考えたことを記していきたいと思います。
新しい投稿スタイルに慣れるのにしばらくは時間がかかりそうですが頑張ります。
引き続きのご贔屓を!