2017年11月の
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さっそく木に登る

2017.11.12

「マガジンハウスに泰山館のことが出てましたよ」と泉事務所の所員さんが。
さらに「褒めてありましたよ」と僕の方を見てニコッとする。
それは見なきゃならない。建築家は褒められるのが大好き!
すぐに木に登ってしまう。
ところで泰山館とは、もう27年も前に設計した賃貸の集合住宅で、自分で言うのもなんだが、人気がある。
新築時から27年たった今でも、ほとんど家賃が下がらなく、不動産業界ではヴィンテージ物件と呼ばれたりしているようだ。
で、さっそく本屋に「マガジンハウス」を買いに行ったのだが、マガジンハウスという本はない、という。
2~3軒回ったがない。
帰って「そんな本ないよーッ」と所員さんに言ったら、
「ワハ、ハ、ハ、マガジンハウスという本はないですよ、それ出版社の名前、本の名前は、And Premium(アンド プレミアム)ですよー」

又、買い直しに行ったら、ありました、ありました。
「時代を超えて、いいもの」という特集で、
泰山館に建築家の方が住んでいて、その方の話や部屋を取材した丁寧な記事が載っていた。
建築家さんの話はこの建物の設計についてよく見ておられて、お褒めを頂いていた。
同じ仕事をするプロが実際に住んで褒めてくれるのは最高にうれしいこと。
それに建築家は表立って人の作品を褒めたりは滅多にしない。
それにもかかわらず紙面上で褒めて頂いたことは、この上なくうれしいことだった。

ロマネスクを訪ねて Ⅶ

2017.11.07

サン・ギレム・ル・デゼール修道院のあるギレムで泊まったホテルは、プチホテルとよく呼ばれる。
何百年も経った古い建物を改修したものが多い。。
建築史の専門家ではないから確かなことは言えないが、ロマネスクやルネッサンスの時代に遡ることができる建物ではないか。
そのような古い建物に宿泊できるとは、最高に幸せだ。
日本で言えば、室町、鎌倉時代の建物に泊まっているようなもの。
外観は前回紹介した写真の様に古い石積み。

しかし、石造とは言え、床や屋根などの水平方向に支えるものは木造でできている。
これは世界共通。
アーチの石積みで床を持たせることもあるが、多くは水平方向に木の梁を渡し床や屋根を支える。
天井を見上げると古い黒々とした梁が渡してある。
壁は多くの場合シックイ。
ビニールクロスのようなチャライ材料は使ってない。
ある意味、何もしてないと言えばそうなのだが、それで十分。

向かいの家が見える窓。

ベッドのシーツはきれいだし、シャワーもよく出る。
(たまにそうでないこともあるが…)
これで、何と1泊2~3,000円!
(ユーロになって、今はどうなってるか知らないが)
勿論、素泊まりだけど。
こういったことこそ豊かさ、じゃないのかな?

この旅は大まかな目的地を決めて出発したが、厳密なスケジュールはなく行き当たりばったり。
だからホテルも目的地に着き探すことになる。
フランスでは部屋を見せてもらい、気に入ったら宿泊を決めることができる。
このようなプチホテルを探しながらのロマネスクを訪ねる旅だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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