2004年10月の
ブログ
blog

小堀設計事務所は素晴らしい!

2004.10.15

京都、大徳寺の孤篷庵(こほうあん)ってご存知ですか?
有名な茶室があるのでので、建築関係の方はご存知だと思います。
作者は小堀遠州。
非公開のお寺なので、なかなか見るチャンスがなかったのですが、
先週、幸運にも見ることが出来ました。
実に素晴らしかった!

非公開のお寺だけに、観光的なところが無く、
それでいて隅々まで手入れが行き届いていました。
お坊さん二人で手入れをなさっているらしいのですが、
一日中手入れをしていてお経を読む暇が無いのでは、と思うぐらいきれいです。
禅寺では、そう言う作業も修行らしい・・・。
孤篷庵全体が素晴らしいのですが、茶室、忘筌(ぼうせん)は、
特に素晴らしかった。
忘筌の扉を開けたとたん、小さな声であったが、
あっつ!と思わず声が出てしまいました。

昔の建物は様式的だったり、技能的だったりと、
現在の私たちの時代から見るとちょっとかけ離れた
ところにあるものですが、しかし孤篷庵は身近に感じられるものでした。
それは多分、現代的な個人の美意識によるデザインによるものだからでしょう。
と言って、空間の作り方は、天才的なひらめきを感じさせるものですが、
奇妙奇天烈でもなく、これ見よがしなところが全く無い。
とっても自然なデザインなのです。
デザインする人の、人間性の高さを感じさせられずに入られないものでした。

小堀遠州は、江戸初期にたくさんの建物、造園をやっています。
よく知られたところでは、桂離宮があります。
今で言えば売れっ子の、小堀設計事務所だったのでしょうね。
下衆な話ですが、設計料みたいなものはあったのでしょうか?
孤篷庵は、たまに公開をすることがあるとのこと。
そんなチャンスに是非見てみてください。

ARCHIVE