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2011年10月の
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青森ヒバで作った教材
2011.10.27
本を読んだり、聞いたりするより実際に体験することで何倍もの実感が得られる。
女性だけのクラス(宮脇壇さんが創設したクラス)で、
彼女らに伝統工法の木組みのことを知ってもらいたく、
昔から付き合っている大工の嶋崎(株式会社 住み家)さんに教材となる材料を作ってもらった。
嶋崎さんとは30年以上の付き合い。
腕のいい大工に何人も会って来たが、その中でも3本の指に入る尊敬する人。
彼女たちは民家園などで民家の見学をしたことがあるようだが、
ただ格好を見て来ただけで、
大工技術の難しさ、凄さなどは本当に感じ取ることはできなかったに違いない。
伝統工法は組み方の順序があり,間違えると組み上げられない。
彼女たちが組み上げている間,僕は黙って見ていて何も教えてあげなかったから、
試行錯誤、頭をひねりひねり1時間かけてやっと組み上げることができた。
出来上がってVサイン。
加工技術の精度を出す技術、伝統工法の強度を出す仕組み、施工手順を考える能力など、
ちょっとした体験を通してだったけど、
感じてくれたかな?
少しでも感じてくれたら万、万歳( ^ω^ )
掲載雑誌の紹介
2011.10.21
新建築社「住宅特集」11月号で、
長野県で作った住宅が掲載されています。
よろしかったらご一読を。
芸術の秋 Ⅲ
2011.10.14
間違って上野に行き、あせって六本木の国立新美術館へ。
僕の知り合いがスペースデザイン部門に沢山出していた。
かなり身近な、しかも何十年かの付き合いの人たちで、作風の変化が読めて面白い。
彫刻部門には今年、98歳で亡くなった佐藤忠良さんの「帽子・夏」が飾られていた。
佐藤さんのアトリエを訪ねたことがある。
寒い日だったが、ストーブの前で若造相手に目をきらりと輝かせながら、少しも威張ることなく、
いろんな話を聞かせて頂いた。
その時の話で最も印象に残っているのは、
佐藤さんは厳寒のシベリヤ抑留の体験者だが、
「シベリアから西へ行くと、陸続きでパリに歩いて行ける、
日本に帰るよりも、本当にパリの方へ行きたかった」
パリは芸術の都、そちらへ行きたかった。
極限状態の中でも芸術への思いを持ち続けておられたのだろう。
芸術の秋 Ⅱ
2011.10.03
不忍池の蓮を見ていて、ふと思い出したこととは、
大昔、高校生の時に見た日本画家、徳岡神泉の画集の中にあった「蓮」。
超写実だが、
写実を通り抜け、超現実的な幽玄の世界に引き込まれる。
蓮の上の水滴が今にも転がり落ちそう、
それどころか、水滴が落ちる時の音さえ聞こえてきそうな感じがする。
徳岡神泉26歳、1922年の作。
久しぶりに古くなった画集を開いてみたが、やはり凄い。
芸術の秋 Ⅰ
2011.10.01
「新制作展」と言う公募展があります。
彫刻の佐藤忠良、船越保武、絵画では猪熊 弦一郎、
スペースデザイン部門では丹下健三、前川国男、吉村順三、
それに僕の先生もその部門を引っ張ってきた。
そうそうたるメンバーがいた長い歴史のある公募展です。
以上の人はみんな亡くなったけど、
僕の先生の弟子(兄弟弟子にあたる)たちは出品し続けていて、先週見に行ってきた。
現在は新しくできた国立新美術館で開かれているけど、
それまでは何十年も上野の東京都美術館で開かれてきた。
長い間見続けてき僕にとって「新制作展」と言えば上野の山、と先入観がある。
先週行ったとき、ついつい上野の方へ行ってしまった。
あっ、いけない、間違っていると気付いたのは上野の山を登る途中。
そういう人はけっこういるらしい。
日曜日と言うこともあって、まぁ~いいかと不忍池をぶらりと散歩。
不忍池には蓮がびっしりと群生している。
蓮は不思議な植物。
沼からすっと茎が立ちあがって大きな丸い葉を持ちあげている。
葉の下はひっそりとしているが、よく見ると小さな生物がうごめく、近い景色の空間が広がる。
一方、葉の上は空の下で葉がずっと連なり、向こうまで見渡せる開放的な、遠い景色の空間だ。
遠い景色と近い景色、それぞれ違った両方の世界を同時に見ることができる植物だ。
蓮を見ていて、ふと思い出したことがあった。
それは次回に。