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2009年12月の
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愛媛県 Ⅴ 四国という島
2009.12.23
ここのところ妙に四国づいていて、徳島県、香川県へ。
例の木の建築賞の審査のためだが、
行けば行くほど、四国が面白いところと思うようになる。
今、木造建築の研究が大学だけでなく、
地方の建築家や工務店で盛んに行われている。
研究というと大学の専売特許のように思われるかもしれないが、
小さな工務店、建築家によってリアリティーのある研究がなされている。
土壁は極めてエコな構法だが、
徳島では建築家・戸塚元雄さんのグループによって、
その土壁の耐震性能の研究がおこなわれていた。
横から力を加えその耐力を調べるもの。
実は土壁の耐力は一概に言えないところがあって、
地域の土よって、またその構法によって耐力は異なる。
従って、地域、地域の土、工法を使って実験を行い、
地域性を考慮した科学的、工学的検証を行うというもの。
ひいてはその実験結果を制度的にその地域に運用することを目指している。
この様な科学的、工学的実験を地域の建築家や工務店がおこなうようになったのは最近のことだが、
とっても素晴らしいことだ。
それにしても四国という島は、
先日紹介した愛媛県の松村正恒さん、
高知県の山本長水、山本恭弘さん、
それに、今回の香川県の戸塚元雄さんと骨っぽい建築家がいらっしゃる。
なぜそのような建築家が四国では排出するのか、
不思議な島だ。
而邸 Ⅵ
2009.12.15
朝起きたら、まず何を見るのだろう?
と、このところ思っているのだが、
なかなかわからない。
目覚めるときは、何を見るかなんていう疑問を忘れているからか。
知らないうちに何かを見ていると言った方がいいのかもしれない。
はっきりした対象を、でなく、漠然とした何かを。
眠りと、目覚めの境は本当にあいまいだ。
そのうち何かを見るようになる。
で、何かを見るようになって、
目の前にあったのが天井の垂木(たるき)。
薄暗い部屋の中に垂木の下端の面がボーッと光っている。
といっても、言葉でそう言えるようなものではなく、
なんとなく見ているようなもの。
しかし、目が覚めるに従って、綺麗だなー!と思う。
さらに、1本1本の木に個性があるなー、
なんて段々と枠組みにハマったような言葉、思考になっていく。
言葉になる前の、意識の深いところを直截に捕えられたらと思うのだが・・・。
面白い連載 Ⅱ
2009.12.08
先日の「昭和報道」は朝日の夕刊。
今日の紹介は朝日の朝刊の方で、連載小説の「七夜物語」です。
川上弘美さんの児童文学風の連載。
まず、川上さんの文が素晴らしい。
以前読んだ「センセイの鞄」や「真鶴」でいい文を書く人だなーと思ったが、
平易で明快、でも空気が伝わってくる。
こんな文章を書けたら本当にいいな、と思うが僕には到底無理。
それに上手だが嫌みが全くない。
また、酒井駒子さんの挿絵がこの小説にぴったり。
主人公は小学4年生の「さよ」という女の子。
読んいる方もいるかと思いますが、
僕は朝起きて毎日「さよ」に会えるのが楽しい。