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2017年01月の
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リノベ参入
2017.01.26
以前、仕事を頼まれた建て主さんから、
結婚したんで、実家の建物を改修して住まいたいんだけど、
泉さん、改修工事なんてやってくれます?とのこと。
とっても楽しい建て主さんだったので、二つ返事でハイ、ハイ。
実は大昔、駆け出しのの頃、改修の仕事を結構やっていた。
改修個所は水回りが多く、大変勉強になったことを覚えている。
建物は水回りが一番傷みやすく、そうならないようにするにはどうしたらいいか、大変勉強になった。
この建て主さんのお父さんは大工さんで、建物はお父さんが残してくれたもの。
当然、建て主さんは父親への敬意もあり、リノベーションをして使い続けたかった。
改修の基本は父お父さんが作った木造建築の木の感じを残しつつ、
レトロな感じの中に若々しいデザインに変えること。
8畳二間の畳を剥がし、16畳の板の間のリビングに変えた。
キリッとした感じになった。
床材はざらざらとした古民家風のもの。
玄関の一部分は吹き抜けにし、2階と小窓でつなぎ、気配を感じられるようにした。
リノベーションの何といっても面白いところは、
古い材を生かし、住まいの年月を感じさせることができること。
新築では絶対にできないことがある。
玄関は鉄平石の周りを洗い出しで仕上げた。
新築は頭の中で考えるが、リノベは目の前にあるものとの対話。
この対話が楽しい。
今までにたくさんのモノづくりの手法を身に着けてきたので、
リノベにこの手法を生かすことができる。
これまでリノベはどちらかというと避けてきたが、
新しい世界が開ける予感がした。
而邸 ⅩⅨ 太鼓障子
2017.01.21
而邸(自宅)の寝室の入り口は太鼓障子になっている。
太鼓障子とは、両面に障子紙を張った建具のことで光を通し、よく茶室に使われてきた。障子襖(しょうじぶすま)と呼ぶこともある。
今はまだ太陽の高度が低いから、目を覚ますころ、この太鼓襖に窓ガラス越しの朝日が当たっている。
両面が障子紙だから、薄暗い室内で障子自体が輝いて見える。
美しい。
こういう美しさは、何と言っていいのだろう?
一般的に言われる美術品とは違った美しさ。
これこそインスタレーションではないか。
また建築の美学はこんなところにあるのかもしれない。
みんなで住むの原点
2017.01.14
元旦の新聞にゴリラの研究者、山極寿一さんという方のインタビュー記事が出ていた。
思わず引き込まれてしまう内容に、山極先生の本を探し求める。
何冊も本を出しておられる方だが、「サル化」する人間社会、をさっそく買う。
この本に惹かれたのは集合住宅の設計をやってきたからかもしれない。
建築の設計をやっていて、特にこの東京という街では、人間関係や家と家の関係がバラバラに断絶しつつあることが大変気になっていた。じわりじわりと人間関係における寂しが増し、不幸な街になってきているような気がする。
そんなことから皆が適度な距離を保ちつつも、一つの場所に対する共有感を持てるような集合住宅の設計目指してきた。
山極先生の本によると、ゴリラはチンパンジーなどのサルとは違い、自分以外のものの気持ちを理解する能力、共感能力がとっても高いらしく、集団に対する帰属意識も高い。
一方、チンパンジーなどのサルは個々がバラバラで、それは自由だともいえるが、孤独。
東京の人間はチンパンジー的!
アフリカの森のゴリラの方が余程いい世界を作っているなー、と感心することしきり。
と言って、この本を読めばどういう風に共同住宅を設計すればいいか、ということにはつながらないが、(あまりにも普通な言い方だけど)みんなが幸せになれる共同住宅の設計がいかに重要か、ということの思いを強くした。
現在掲載中の雑誌
2017.01.05