2017年06月の
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台湾シリーズの合間に、一呼吸

2017.06.23

このブログの5月14日の「リンク・リンク・リンク」の最後に、

「ところで、この家の窓には秘密がある。あまりにも窓を道路に開くとプライバシーが損なわれ過ぎる。それをうまく調整する仕掛けがある。それは次回までのお楽しみ」と書いていたのだが、

読者より続きがない、との指摘。「台湾シリーズ」に気を取られ、忘れてた。失礼!

セイキ販売という会社があります。その会社が出している「断熱ブラインドハニカム・サーモスクリーン」という製品を道路に面する窓に着けています。このハニカムスクリーンはいろいろあって、その中のツーウェイタイプというもの。このタイプは窓の上下方向の、どの位置でも止まる。

次の動画の42秒目あたりにこのツーウェイタイプが出てきます。

https://www.youtube.com/watch?v=-9ZG7ma7tW8

外を感じたいんだけど見られたくないときは、下の方にブラインドを下げ、上部だけを開けプライバシーを保つことができる。

こような上げ下げができるハニカムブラインドは最近いろんなメーカーで出しているが、この商品は大変断熱性能に優れている。それは2重のハニカム構造の上に、ブラインドの左右から冷気が入ってくるのを止めるレールを取り付けられるようになっている。

しかしメーカーで販売している純正のレールは不格好なので、私の事務所では「泉印のレール」を付けている。

その図面です。

メーカーの宣伝をしたうえに、ディテールまで公開しちゃって!ま~良いか。

台湾紀行 Ⅱ 建物・街編

2017.06.14

前回は戦前の日本人が建てた建物を紹介したが、今も日本の店がかなり進出している。こんな店もあった。

ここは台湾?と見紛うばかり。

モスバーガーは人気があるらしく行列ができていた。セブンイレブンにファミリーマートも吉野家も、すき家に大戸屋もある。セブンには僕がいつも使う歯間ブラシも綿棒も置いてあった。日常の日本が台湾にまで延びていた。

台北には所狭しと集合住宅がひしめき合っている。でもよく見るとに日本の集合住宅と何かが違う。それは何かと思いよく考えてみたら、バルコニーのはね出しは日本ではコンクリートで作るが、台湾でははね出し部分だけを鉄骨で作ったものが多い。

この鉄骨造のはね出しは、階によっては外部空間に解放されたいわゆるバルコニーだったり、格子で全面的に囲ったり、場合によってはサッシがついて室内化しているものなど、変化に富んでいて見飽きない。

何故はね出し部分だけを鉄骨造にするかと言えば、水平部分をコンクリートで作るには、型枠、支保工が大変で、垂直方向だけコンクリートを打ち、出っ張っている部分はカセットのように後でカチャッと取り付ければ簡単だ。。だからこのような構法は世界中にある。これはアメリカでもよく目にした。

これはボストンで撮った写真。洗練されています。

このような構法をなぜ日本でしないのか、施工上大変簡単になるが、どうしてかと不思議になった。

今度、防火の専門家に聞いてみようと思うが、多分、防火・非難に関連する規定で鉄骨丸出しでは耐火構造にならないからではないだろうか。

 

台湾の新しい市街地では、集合住宅も全く新しい景観を作っている。

資本経済に巻き込まれた都市の景観だ。

台湾中部の町、台中の中心地の風景です。

アメリカと言ってもいいし、中国の沿岸都市と言ってもいい。

でも、どこか日本の高層建築とは違う。

左右対称のファサードで、古典的な造形感覚が入っている。

ところでこのマンションの多くは台北の人が投機目的に所有していて、半分は空き家らしいとか。

台湾紀行Ⅰ 建物編

2017.06.11

所要あり、台湾に行くことになった。

韓国には古い民家を見るためにしばしば行っているが、やはり近い台湾には行ったことがなかった。

何となくどんな所か、勝手にイメージしてたが、やはり行ってみないとわからない。

東南アジアでもあるし、中国も、それに日本、そしてグローバリズムも入っている。

まずはアジア的建物から。台北には古い高層の集合住宅がびっしりと建ち並んでいる。九龍城に負けない迫力。

日本が支配していた時代の建物も数多く残っている。

戦前に建てられた日本人の住宅は入母屋造りですぐわかる。

韓国にも残っているが、いわゆる日式住宅と呼ばれる戦前に日本がアジア各地で作った日本人の住まいだ。

台北では今、大事に保存改修されて公共施設として使われたりしていた。このように保存してくれていることに、ありがたい気持ちが沸いてくる。

これは九份(きゅうふん)という日本が金山を開発したところに残っている昭和天皇が皇太子時代にここを訪れるために建てた建物らしい。

庇の出が短いのがちょっと気になるが、ここに立つと、もうほとんど日本。もっともこの建物に昭和天皇は来なかったらしい。

店舗も相当作ったようだ。

これはやはり日本が作ったタバコ工場で、現在はリノベされて文化施設の展示場として使われている。結構プロポーションが美しい建物だ。

これは中国スタイルの建物で、お茶屋さん。

とっても気品のある建物だった。

建物を見るつもりで入ったら、知らない間にティー・セレモノニーになっていて、高~い烏龍茶を買うことになってしまった。

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