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良寛の字

2021.05.04

新潟に北方文化博物館というのがあります。
博物館といっても、それは豪農の館を保存したもの。

ここは一般的な博物館の展示とは異なり、
あるべきものがあるべきところにあるのが素晴らしい。
すごく広い屋敷で、いろいろと面白いものがたくさんあったが、
巡っているうちに床の間に掛けてある軸が目に飛び込んできた。
なんと素晴らしい字!

素晴らしいとは思うけど、何と書いてあるか読めないし、もちろん意味も分からない。
だが、こりゃーただモンが書いた字じゃないなー、
ただただ凄いなーと思わずにはいられなかった。
力が抜けて 、外連味というものが全くない。
のびのびとして自由で、線と線がお互いに響きあい、
リズムがあり、明るく、華やか。

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下にあった解説文を読んだら、書いたのは良寛。
字は「見人無力下禅床」人を見て禅床を下るに力なし、と読むそうだ。
老いたからこそ人を見て、椅子から下りてどんな人にも接することが出来るようになった、
という意味とのこと。

下は北方文化博物館の建物の一部だが、良寛の字と通じるものを感じた。
このようなところまで辿り着くことができるのは何時のことだろうか。

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芍薬(しゃくやく)

2021.04.18

先日牡丹と芍薬の違いを書いたばかりだけど、
たまたま知り合いから芍薬の花が送られてきた。
牡丹も芍薬も同じころに咲く。
ますます紛らわしい。
牡丹と芍薬の違いは牡丹の葉っぱはギザギザ。
芍薬はギザギザなし。

だから送られてきた花は芍薬。
美しい!
部屋がパッと明るくなる。
花瓶は19世紀のイギリスのインク壺。

東長谷寺

2021.04.11

目白には東西の崖線があって、その南斜面に、薬王院という真言宗のお寺があります。


今、薬王院は牡丹の花が真っ盛り。
登楼(のぼりろう、屋根付きの階段)のある、奈良の長谷寺も牡丹の花で有名だが、
薬王院はその末寺で、やはり牡丹の名所。
手のひらよりデカい牡丹がある。

以前にも書いたと思うけど、牡丹と芍薬はよく似ている。
牡丹は樹木で、芍薬は草、
牡丹はデカい花をつけ、芍薬もそうだがまだ小ぶり、
牡丹の葉の先は分かれていて、芍薬は丸みがある。
ところで、牡丹は中国から弘法大師、空海が持ち帰ったとかで、
真言宗のこの寺に牡丹が植えてあるのは、そのことによるのかもしれない。
また牡丹は薬用で、この寺が薬王院というのも、このことによるのだろう。

重要文化財での結婚式

2021.04.04

姪の結婚式が目白の自由学園であった。
自由学園というのは、巨匠フランク・ロイド・ライトの設計による建物で、
現在は重要文化財として保存されている。
姪はこの自由学園の出身で、この建物で式を挙げるのが夢だったらしい。
落ち着いた、感じのいい結婚式だったが、 建物の良さもそのような雰囲気に貢献していたようだ。

建物の至る所に美しくアレンジされた花がいっぱい飾られていた。

窓辺には、

テーブルにも花。
花瓶もいい。

美しい結婚式だった。

昨年読んだ面白い本

2021.02.10

毎何、年の暮れにその年に読んだ面白かった本を挙げていましたが、
自分の本を作るので忙しく、遅れての書き込みです。
まずこの二つの本は、すごく売れていることは知っていたが、
「泉さんまだ読んでないの?」と言われて読んだ本。
白井聡 武器としての「資本論」
斎藤幸平 人新世の「資本論」 (集英社新書)
若かりし頃、マルクスの資本論にチャレンジしたが、
難解なのか読みにくいのか、どちらなのかわからないが、
途中で放棄してしまった。。
それが白井聡さんの「武器…」はスラスラと読め、
こういうことだったのかと、ずっと気になっていたことにやっと卒業できた気がした。
さらに斎藤幸平さんの「人新生…」の方も「武器…」を読んでいたので、
楽に読むことができた。
資本論というと、赤だとか古臭いと毛嫌いする人がいるが、
気候変動と資本論、この二つを結び付けて考えられるなんて、すごい。

建築の本です。
次の二冊は、シザとバワ作品,人間についての解読の本。
伊藤 廉 ポルトガルの建築家 アルヴァロ・シザ
岩本 弘光 解読ジェフリー・バワの建築―スリランカの「アニミズム・モダン」
建築家の作品紹介はまず写真がよくないと、ということもあるが、作品を解説した本の場合は、著者の知性や教養の深さが、問われる。
そのような意味で、この両作品は相当にレベルの高い本だ。
また、読んでいて楽しく、面白かった。
おすすめです、是非。

もう一冊、建築の本ではないが、椅子の生産と文化について書いた本だが、
読みながらずっと建築を考えさせられていた。
手作りが建築の世界で生き残ることができるのか、
そのようなことを違った視点から見ることを教えてくれた本、だった。
坂井 素思 椅子クラフトはなぜ生き残るのか

出来ました、本が。

2021.02.02

丸6年かかった本がやっと出来てきた!

今朝、出版社の方が出来立てホヤホヤの本を届けに来てくれた。
手に取ってみると、600ページ近くあるので、ズシッと重い。
まとめるのにここ数年は日曜なしで、やっていた。
でも、このような本はなかなか作れるものでもないし、結構楽しかったのも事実。
編集者も一仕事終えて、ほっとした顔で、
「出来上がって、正月がやっと来た。 徹夜をしたのは何年ぶり」、
とか言ってたけど、満足そうな顔だった。
ご苦労様。

下の写真は使用した図面や、文章、資料、校正などで結構な量になった。
本づくりの後半はパソコンとにらめっこだったが、前半はこの資料と格闘していた。
もう必要ないから処分するのだが、何か捨てがたい。

本屋さんには来週の2月9日から並び、AMAZONは2月10日から発売とのこと。
定価税込11,000円。
僕のところに言ってもらえれば、サイン入りでお分けします。
(お渡しできるのは2月中頃)
申し込みは k.izm@nifty.com 泉まで。

あとりえずTOKYO Ⅴ 換気効果抜群

2021.01.30

昨年、事務所を引越したが、建物を事務所として使えるようにリノベした。
最上階の一角に約2メートル四方の打ち合わせスペースを作ったが、
三方が壁に囲まれ、採光も通気が悪く、雰囲気も何んとなくよどんでいるような感じだった。
シマッタ!トップライトを付けておけばよかった、と後悔。
でもここで何とかしないと、一生後悔することになると思い、思い切って、
建設会社に、「ほとんど工事も終わっているにもかかわらず、この場に到って申し訳ないが、ここにトップライトを開けたいんだけど」と相談。
そうしたら、うれしいことに屋根に穴をあけ、トップライトを付けてくれた。

トップライトを付けたら、雰囲気がガラリと変わり、気分のいい打ち合わせコーナーになった。
しかも、さらに良かったのが、このコロナ禍の下、このトップライトは開閉できるものを付けたから、開けると空気がどんどん上昇し、換気効果抜群。
マスクはしているけど、安心して打ち合わせができる。
コロナにはトップライトを❣

あとりえずTOKYO Ⅳ 通勤路

2021.01.11

仕事場を引越し、通勤路も変わった。
新しい通勤路は、大江戸線新江古田駅乗車の東新宿駅下車。
しかし、一日に8000歩、歩く目標にしているので、丸々地下鉄に乗ると歩数が足りなくなる。
そこで、自宅から中井まで歩き、こから東新宿まで地下鉄を利用することにした。
この歩きの区間には、いい住宅地が広がっている。
中井駅近くは緑も多く、階段道がある。
その階段道の左側のお宅は林芙美子邸.
ご存じの方が多いと思うが、林芙美子は「放浪記」などで知られた小説家。

建物の設計は山口文象という、これも有名な建築家の手になるもの。
山口文象は日本における初めての近代建築運動、分離派のメンバーの一人。
のちのRIA設計事務所の創設者でもある。
林邸は現在は新宿区立の記念館となって保存されていて、見学できる。。
日本家屋の古めかしさがないわけではないが、 実はこの建物は僕の好きな建物の一つで、
窓の取り方が自由自在で建築家として大変勉強になる建物。

このような建物を横目に通うのは楽しい。

本が出ます

2020.12.30

数年前から書き続けていた本の原稿をやっと脱稿し、新年から印刷、出版ということになりました。
本のタイトルは「住宅設計の考え方」586頁の、結構重い本です。
彰国社より新年1月末に刊行の予定です。

文章と、図面、写真からなっていて、相互に関連性を持たせる作りになっています。
文章、図面、写真はそれぞれ、建築家が何を考え、どのようにして作り、どのようなものを作ったか、と対応しています。
これまでに単著は3冊出版していますが、600頁近い本は初めてで、これまでとまるで勝手が違いました。
200頁くらいの本だと100mか400mの短距離競争のようだけど、今回はマラソンのようだった。
出版になったら本屋で手にしてみてください。
泉のところに言っていただければサイン付き、握手付きでお分けします。

この本を出すまでは絶対死ねない!というくらいの思いでやっていたので、まぁ出来て、ふーって感じ。
が、書き終わったら、もう次に出したい本のイメージがモクモクと湧き上がってきています。

あとりえずTOKYO Ⅲ

2020.12.16

最近引越した「あとりえずTOKYO」は地下鉄、東新宿が最寄り駅だが、
新大久保駅からも歩ける距離。
大久保は かつてよりマスクの値段が安 かった。
外人が多く、仕入れに何か特別のルートでもあるのだろう。
最近見かけたマスクはなんと、50枚入りで299円!

ところがさらに上があるもんで、

なんと190円!
本当のところ、元値はどうなってんだろうな?

而邸24-狩野派

2020.11.28

この時期は太陽高度が低くなり、而邸(我が家)の障子にこのような影が映る。

枝垂桜の陰で、まだ葉が少し残っている。
狩野派にしては少し華奢だが、いい具合に絵になっている。

Apartmentふじ

2020.11.22

副都心線、池袋駅、そのもっとも要町よりの出口から徒歩3分、
今建設中の集合住宅「Apartmentふじ」が間もなく完成します。
建物のゲートを入ると、回廊に囲まれた静謐な中庭に出ます。
今年の暮はこの中庭で餅つき大会が開かれる予定。
楽しい集合住宅になるでしょう。

回廊の手摺や壁は板金仕上げ。
板金仕上げは名工、新井勇司さんの手によるもの。
手摺は一枚一枚の幅が違い、上部のひし形の壁は鱗葺(鱗葺)と呼ばれる葺き方です。

あとりえずTOKYO Ⅱ

2020.11.14

東新宿に引っ越しして1か月ちょっと経ちました。
引越しは大変だったけど、やっと落ち着きつつあります。
引越しでは、花屋ができるのではないかと思えるほど、
沢山の花を頂きました。

まだ看板ができていないので、通りがかりの人が、ここは何屋さんだろうと思うらしく、
「ここは喫茶店?このあたりにしてはオシャレね。」と言ってくれたりする。

この建物には現在5つの建築の設計事務所が入っていて、
週に一度は当番で昼ご飯を作って食べることにしている。

それにいろんな人が寄ってくれる。
思ってた以上に楽しい場所になりそうだ。

而邸 # 23 中秋の名月

2020.10.08

而邸(自宅)の寝室の天井にはトップライトがついている。
寝室だから、朝方眩しくないようにブラインドがついている。
ベッドに入り天井を見上げたらブラインドの隙間が、いつもよりボンヤリとして明るい。
変だなー思って、ブラインドの角度を調整したら煌々とした満月の月が!
そう、今日(10月1日)は中秋の名月だったのだ。

引越しします

2020.09.20

30年ほどお世話になった雑司ヶ谷から、来週24日に東新宿へ引越しします。
これまでに250ほどの建物を作りましたが、そのほとんどをこの雑司ヶ谷のマンションで設計しました。
だからこのマンションには僕の建築家人生の沢山の思い出があり、ここを出るのに少し寂しい気持ちもあります。
しかし引越しを決めたのには夢がありました。

新しい設計事務所は東新宿駅に近い。
東新宿駅は副都心線と大江戸線が交わっていて、
交通の便は大変良く、皆が集まりやすい。
その東新宿の小さな建物に泉事務所の出身者や、僕の知り合いのさまざまな年代の建築家が入ります。
現在五つの事務所が入り、もう少し増える予定です。
そして、これまで通りに泉幸甫建築研究所は継続しますが、皆で共同の設計事務所「あとりえずTOKYO」も立ち上げます。
大きな仕事をやれるようにするとともに、自分がこれまでに培ってきた知識、経験を若い皆に伝えることができたらと思っています。

建物名「あとりえずTOKYO bldg.」の 上階は設計事務所、1階は多目的に使うスペース。
1階ではもちろん設計のための打ち合わせや、セミナーや様々なイベントを行いたいと思っています。

新住所は 新宿区大久保 2-7-13 4F tel : 03-6278-9192
ぜひお寄りください。


寺大工vsプレカット Ⅰ

2020.08.10

今建設中の軽井沢の別荘には、直径40~50㎝、長さ6mの太鼓落としの杉の棟木が使われています。
この棟木は宮大工の手加工によるものです。
大工が鑿(ノミ)や鉋(カンナ)で加工する風景はほとんど目にしなくなっている。今やプレカット加工(人の手でなく機械で骨組みを刻む加工)が90%以上を占めていて、プレカット加工の隆盛と大工技術の劣化が相まって進行してきた。
中には優れた大工もいるが、むしろ下手な大工が刻むより、プレカット加工の方がずっといいことが多い。
しかし、プレカットが敵わない大工がまだいるもので、この現場の建設会社の大工の仕事がそうだ。
下の写真を見てみて下さい。
これ、手刻みです!
何十年か前には見にすることができた木の加工の姿を思い出した。

Apartment藤(ふじ)

2020.06.20

副都心線、池袋駅のもっとも要町よりの出口から徒歩3分のところに、
今建設中の集合住宅「Apartment藤」の現場があります。
豊島区池袋は人口密集地の活気ある街です。
そのようなところに相応しい、何だか中国の客家(はっか)か、
かつて上海にあった九龍城を思わせる元気印の集合住宅を考えました。
準耐火構造、木造3階建です。
下の写真は模型で、1階のゲートを入ると、回廊に囲まれた中庭に出ます。

この中庭を下から見上げた模型写真です。
住人は皆、この中庭に面した回廊や階段をぐるぐる回って各住戸へ入ります。
階段や回廊は太い磨き丸太が支えています。

上棟したのは先週。
で、実際はどうかというと、
同じく下から見上げた現場の写真です。
中庭には、今足場板が敷いてあって、全体を見渡せませんが、
この中庭では、いろんなイベントが開かれる予定で、
今から、イベントの賑やかな音が聞こえてきそうです。
完成は今年の暮れ、
楽しい集合住宅になると思います。

ながみひなげし Ⅱ

2020.06.17

先月書いた」「ながみひなげし」の続きです。
暫くして同じ道を通ったら、あの赤い花がこのようになっていました。
これも可愛い。

近くまで寄ってみたら、ホントに可愛い。
でも、この中はどうなってるのだろう?

仕事場に持って行き、可愛いとは思いながらも、
カッターナイフで切ってみたら、 中から種がいっぱい出てきた。
成る程、これだったら繁殖が旺盛なのも頷ける。
下記は「ながみひなげし」についての農環研ニュースからの引用です。
「一つの実に平均1600粒の種子が内蔵されおり、一個 体から100個の実をつけることもあるので、最大で一 個体から15万粒の種子が生産されます。種子の表面 にはくぼみがあり、でこぼこしており、車のタイヤな どにくっつきやすくなっています。梅雨時に種子がで きるので、道路の中央分離帯にできた種子が、雨で濡 れた車のタイヤにくっついて運ばれ、道路沿いに分布 を広げていると思われます。交差点の信号の付近に特 にナガミヒナゲシの群落が見られるのは、タイヤに着 いた種子が信号待ちで落ちるためと思われます。」
とのこと、 なるほど!