2015年12月の
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またこの季節です

2015.12.27

先日完成した住宅の中庭に、高さ5メートルもある大きな藪椿(やぶつばき)を植えた。
植える時から花をつけていたが、
和室から座して見る椿は、最高!
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この季節になると、出かけた先で藪椿の大木に出くわすことがあるが、
「木の建築賞」の審査で出かけた茨城県五浦にちょっとピンクがかった藪椿の美しい木があり、やはりパチリ。
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椿が好きで僕の自宅の庭には白の椿侘助(わびすけ)を植えていて、
この季節になると、枝を切り花瓶に挿す。
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白い壁に、粉引きの白い花瓶に、白い侘助です。

椿の季節は長く来年5月頃まで楽しめる。
でも、寒い2月頃までが凛として、いとおかし。

亜米利加紀行 Ⅳ カーン

2015.12.23

この亜米利加旅行シリーズはアメリカの建築家カーン(1901- 1974)の作品を見て、そのことを書くため、だったのだが、
なかなかカーンのことは書き出せなかった。
観光見物みたいなことばかり書いて、カーンのことを書くことから逃げていたようなところがあった。
というのは、彼の建築を見て、あまりにも凄過ぎて、しばらくどう書いていいかわからなかったからだ。
見た建物はニューハンプシャー州にあるエクセター・アカデミー図書館など。。
下の写真はそのエクセター・アカデミー図書館です。
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実際に見て、カーンほど空間の構成能力が高かった人はそういないのではなかろうか。
彼がこの図書館にかけた空間構成へのエネルギーの凄まじさ、その能力高さを、長年建築にかかわってきたきた人間として、じっと見ているとそのことがひしひしと伝わってくる。

この建物のための空間の秩序(シンプルではあるが、多様な空間を生みだす秩序)を発見し、
その秩序を維持する徹底的なディテールへのこだわり、
それが一分の手抜きをすることなく全体に貫かれている。
それは並のエネルギーではない。
とんでもない集中力の持続があったと思える。

建物を読み込みながら、その徹底的な意思を見出すたびに、彼はこう考えたんだなと知らされ、へとへとにに疲れてしまった。
それはこの建築が居心地が悪いというのではなく、
建築を専門とする人間から見ると、ここまで考え抜いてやっている強靭さへの畏敬から来るものだ。

「私のルイスカーン」という名著があるが、それを読むとカーンが天才と奇人はやはり紙一重、との印象があったが、
実際の作品を見てみると、成る程、と思わせる。

日本に帰って、この図書館の模型を事務所で作ってもらった。
カーンの空間構成の手法を勉強するため、そして何よりもカーンの建築への挑戦する気概を忘れないため。
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この図書館のほか、コネチカット州にあるイェール大学アート・ギャラリー、テキサス州のキンベル美術館などを見て、世の中には凄い人間がいるものだと、またまた思い知らされた。

HANDS+EYES展 Ⅱ

2015.12.01

引き続きHANDS+EYES展です。

京都、南禅寺界隈行くと琵琶湖疎水が目に入る。
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そしてこのトンネルの図面だけど、
「このように作るんですよ」と、図面が語り掛けているという意味ではこの図はそれをよく表現している。
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琵琶湖疎水の設計者は田邉朔郎と言う人だけど、
工部大学校(現東大)での卒業論文で琵琶の水を京都に引く研究をテーマとして書いたことがきっかけになり、
琵琶湖疏水工事の主任に、なんと若干23歳で抜擢される。
この図も田辺が書いたものなのだろうか。
そう思いながら見ると、感慨深いものがある。

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