泉スタジオIn Kyouto-3

2022.04.09

結局、今回の「泉スタジオIn Kyoto」で見た建物は、気付いてみればリノベの建物ばかりだった。
いつしか世の中は本当にリノベの時代にスライドしつつある。
建築界では新築が減ることを心配する向きもあるが、
これまで建て過ぎたわけで、まともな時代が来たと思った方がよい。

泊まった京町家もそうだったけど、
昨年の日本建築学会賞を受賞したこの建物もリノベ。
80年も前に建てた、かつて京都市立美術館と呼ばれた建物をリノベし、
京都京セラ美術館となった。

上の写真のように現代ではなかなか作れないいいものはちゃんと残し、
今でも作れそうなものは真っ白くペンキそで塗ることで、
れまでにはなかった、全く新しい様相の建物に仕上がっている。

古いタイルに、バリアフリーのための真鍮の鋲を打つことで、
それまでより、もっと魅力的な階段になっている。
おそらく設計者は東京の設計事務所の机の上で考えたのではなく、
この現場に立ってどうしようか、と考えたに違いない。
リノベだと、より現物と対話することで、なじみのある美しい建物になる。