マイスキー

2022.11.03

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ミッシャ マイスキーは今や世界最高峰のチェリストだが、それだけでなく僕と同じ歳ということもあって、他の音楽家とは違った関心をずっと持ち続けてきた。
生まれはバルト三国の一つ、ラトビア。
ラトビアには現在活躍中の名バイオリニスト、ギドン クレーメルもいる。
東欧はラトビアだけでなく素晴らしい音楽家を多く輩出している。
戦時下のウクライナは、かつてホロヴィッツや、リヒテル、ギレリス、オイストラフを生み出したが、いやいやすごい人たちばかり!
これまではロシアの音楽家だとばかり思っていた人たちだが、実はウクライナ出身で、その当時はソ連邦に支配されていたから、そう思っただけで、そうだったのかと思いを新たにした。。
ソ連邦がそのままだったら、マイスキーもクレーメルもソ連の音楽家ということになっていただろう。
東欧の音楽家は政治的弾圧を受けた人が多い。
マイスキーの先生のロストロボ―ヴィチがそうだったことはよく知られているが、マイスキー自身も強制労働収容所に入れられたことがある。

で、先日のサントリーホールでのマイスキーのコンサートはバッハの無伴奏チェロ組曲の3番、2番、6番。
過酷な政治弾圧を潜り抜けてきた人が奏でる音ならではなのか、悲しみは時に震えるほどの美しく繊細な音も随所に、それに耐えた強さ、深さ、悲しさがあった。