ゲージュツとドクショの秋 Ⅸ
2011.12.03
先日のイタリアのようにヨーロッパには装飾した玄関扉がよくあるが、日本には少ない。
日本の扉は木製で、外部だと風雨にやられるからか。
でも室内に目を移すと絵を描くことはよくある。
その中でも面白かったのは京都、修学院離宮の杉の板戸の絵。
最初は板戸に鯉の親子だけが描かれていたものらしい。
鯉の作者は不明だが、
後年、その上から円山応挙が網をかぶせたとのことで、なんともユーモラス。
よく見ると網に破れ目まで描いてあったりする。
さらに面白い逸話があって、
夜な夜な離宮から抜け出す女性がいて、外に子供まで設けたらしい。
そんなことから網をかけることになったというが、
だから鯉は雌なのだろう。
破れ目はそれでも抜け出していたことを表わしているのかも。
杉の木の日蝕 »