3泊4日巡業ー6

2010.08.28

修学院離宮の後は桂離宮。
桂離宮は言わずと知れた日本美の極地、といわれる。
晴れ晴れとして、すがすがしい美しさ。
2度目だけどハッとさせられる美しさを随所で発見させられた。

でも、この桂離宮にもいろんな意見があり、
例えば「つくられた桂離宮神話(井上章一著)」のような見方もある。
それによると、
「タウトに始まる桂離宮の神格化が、戦時体制の進行にともなうナショナリズムの高揚と、
建築界のモダニズム運動の勃興を背景に、周到に仕組まれた虚構」
とされる。
さらに前書きには、桂離宮に「大変がっかりした」と書いてあるくらい。
こういう批判精神そのものには敬服するが、やはり桂離宮は美しい、と僕は思った。

もっとも、僕が最初に見たのは昭和の大改修の後、1985年頃だったが、
あまりにもきれいで、きれい、きれい過ぎるという印象があった。
最近復刻版が出た、石元泰博さん撮影の「桂離宮」はそんな甘っちょろさがない。
その撮影は大改修の前、1950年代。
だからモノクロの撮影。
今見る桂離宮とは印象が随分違う。

まっ、いろいろあると思うが、やはり桂離宮は日本建築の美の重要な一つのあり方だと思う。
次回も桂離宮を書きます。