聖心女学院の・・・

2007.08.11

門の写真です。
Rimg0444
先日、白金(東京都港区)で家を建てたいという方がいて、
敷地を見に行きました。
ずっと昔(もう40年近く前か)白金あたりを歩いていて、
偶然見た「聖心女学院の門」が印象深かったことを思い出し、
敷地を見たあと、聖心は確かこのあたりだったな~と、尋ねてみました。
もちろん妃殿下がご卒業なさった学校だけのことはあり、ガードは固く、
門より中にいることはできませんでしたが…。

この門のデザインはかなり特異です。
でも何か引き付ける力があります。

設計をしたのはヤン・レツルというチェコの建築家。
20世紀初頭に日本で設計事務所をやっていた人で、
何でかは分からないが、最後はプラハで自殺したそうだ。

ところでこのレツルが設計した建物はほとんど現存してませんが、
有名なのが広島の原爆ドーム。
彼は原爆がさく裂する前に亡くなっているから、
自作が後世、あのような運命をたどるなど思いもよらなかったでしょう。
期せずして、世界遺産を設計したことになるわけだ。

ところで聖心女学院の門は、和風の要素もあり、
アーチなどはもちろん西洋を思わせる。
またアールヌーボーやセゼッションも感じさせる。
さまざまな要素を一つの形にまとめ上げることができたのは並ではないようです。

かって日本にやって来た好きな建築家の一人に、
メンソレータムの会社もやっていたヴォーリーズがいるが、
彼の作品は結構残っている。
しかしレツルの作品はほとんど見ることができません。
もう少し残っていたら、と思う建築家だ。