而邸(自宅)の寝室の入り口は太鼓障子になっている。
太鼓障子とは、両面に障子紙を張った建具のことで光を通し、よく茶室に使われてきた。障子襖(しょうじぶすま)と呼ぶこともある。
今はまだ太陽の高度が低いから、目を覚ますころ、この太鼓襖に窓ガラス越しの朝日が当たっている。
両面が障子紙だから、薄暗い室内で障子自体が輝いて見える。
美しい。
こういう美しさは、何と言っていいのだろう?
一般的に言われる美術品とは違った美しさ。
これこそインスタレーションではないか。
また建築の美学はこんなところにあるのかもしれない。