スリランカ紀行 Ⅵ 新旧の彼岸
2010.11.30
建築に限らず芸術には新しさが求められる。
しかしバワの建築を見ていると「古い、新しい」を超えた、新旧の彼岸がある。
建築において新しいとはモダニズム。
確かにバワの建築はベースにモダニズムがあることは否定できない。
しかしそのモダニズムにはスリランカの風土や歴史を内包した大きさがある。
以前書いたようにバワの建築にはよく骨董品が置かれている。
それだけでなく、スリランカの民家のモチーフがさまざまなところで顔を出している。
スリランカの民家には熱帯の蒸し暑さから逃れるための中庭がよく見受けられるが、
空がのぞける面積は最小に制限され、必要な光と通風が確保されている。
バワが設計したクラブハウスの中庭です。
リゾートホテルの中庭。
大学の校舎のほんのわずかな屋根の隙間。
伝統的な屋根や柱もよくつかわれている。
古い柱の腐った部分はモルタルで根継ぎをして使っている。
歴史や風土を内包することによって、現代建築にはない豊かな建築を作っている。