拙作・泰山館を…Ⅱ

2007.08.08

見に来た大学院生のグループが感心していたことの一つに、
「小割りの窓」があった。
今、一枚ガラスの大きな嵌め殺しの窓が流行っている。
スカッとしてカッコよく、現代建築にはなくてはならないボキャブラリーの一つ。
僕も時々場所によっては使う。
ところがこの泰山館には「小割りの窓」が多用されている。
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実は窓の大きさにはいろんな作用があって、
遠くの景色を見るには大きな一枚ガラスの窓を、
逆に近くに視線を持っていくにはこの「小割りの窓」が有効だ。
泰山館では、中庭の木々に視線を持っていくためのものだ。
これはその場に立って実感してみないとわかりにくいことだが、
写真でも多少は理解していただけると思う。

デザインというのは、ある程度の理屈がある。