なぜ民家にモンドリアンのようなファサードが?

2011.02.02

この柱って、行き当たりバッタリに建てたの?
バッタリのようだけど、美しく、何か秩序があるような気もする。
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川崎市の日本民家園にある「旧広瀬家住宅」です。
もともとは甲府盆地にあった17世紀末の農家を日本民家園に移築したもの。

日本民家園に行ったことのある人は、この建物の西側側面を覚えておられると思う。
みんな気になっているようだ。
ふつう民家は規矩正しく等間隔に柱が立っているが、
この側面のリズム感のある構成はどう理解していいかわからない。

行くたびに気になっていたが、ずーっと放っていた。
昨年行ったときに何故?と改めてよく見てみら・・・・
見えてきました、見えてきました!
このようなことでしょうね。
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① 外壁面と垂直方向に間仕切りを作るために柱A B D Fを入れる。
② BD間、DF間はスパンが長いのでC,Fの柱を入れる。
③ 柱間を6、4.5、6、6、6尺と推定する。(4.5尺は6尺の3/4)
(なぜ6、6、6、・・・・とせず間に4.5尺が入ったのかは不明)
④ その結果、棟を支える柱C´はDから2.25尺ズレることになる。
⑤ 梁レベルⅡにおいて、BC´間はスパンが飛んでいるので2等分したところに束を立てることにより、
柱Cと0.375尺(約11㎝)ズレたと理解できる。
⑥ 梁レベルⅡにおいてBC´間、C´E間は等距離なので、梁は水平に一直線につながるはずだが、
柱C´でずれている。それはホゾ抜きし、込栓を打つためにお互いにズラしたと理解できる。

このようにしてモンドリアン風壁面が生まれた。

以上、どうでしょう。