身内社会は地価を安くする?

2005.08.03

名古屋はヒツマブシ、噌カツと言われるように、濃い、ダサイ、イメージがある。昔はタモリの名古屋弁(タモリ自身は九州の出身だが)。最近では名古屋嬢(城)と言う女性の派手な髪型は特に有名。
現在、名古屋で住宅を作っているが、確かに人間も濃い。建主しさんも、建設会社も、職人も皆濃い。車の中の話も途切れることなく、にぎやかな会話が続く。僕も賑やかなのは嫌いではないので、結構楽しい。
ところで濃い、ダサイ、イメージが、何度か名古屋に通っているうちに変わってきた。ひょっとして、いや、かなり名古屋って、いいところかも、と。
何せUターン率90%、と言うぐらいだから、実際住むにはいいところなのだろう。
マンションの価格がまず安い。東京だと新築で坪200万を越すが、坪100万を切っているらしい。
東京はバブルで土地代が高くなり、顔の見える個人商店、とくに喫茶店はほとんど姿を消してしまった。しかし名古屋には今でものんびり過ごせるいい喫茶店がたくさんある。
食べ物屋も東京には知られてない庶民の味の美味しい店がたくさんある。
それに、なかなかいい小物、骨董店だってある。先日行ったのはCarafe、それにLife decoと言う店。なかなかの店だ。名古屋で小物を東京に買って帰るとは思いもよらなかった。

名古屋の人にいろいろ聞いて、このようなことが名古屋に存在するのは、地価がどうも影響しているようだ。
1、名古屋は身内社会らしい。身内価格で値段が知れ渡っているので商売は大変らしいが、土地代もそれにかなり左右され高く売れない。
2、名古屋は職人の町で、ホワイトカラーよりブルーカラーが偉く、そしてお金持ち。余計な話だが、ベンツに作業服で職人が乗ってる。職人は代々の仕事を引き継ぐから土地が動かない。
そんなことで土地代も安くなるらしい。これが本当に正しいか正しくないか、他にも理由があるかもしれないが、直感的には分かるような気もする。
土地代は町の文化のありようにも大きく影響を与えるだろうとは知識では知っていたが、名古屋でなるほどと納得。
やはり名古屋はディープである。