良寛の字
2021.05.04
新潟に北方文化博物館というのがあります。
博物館といっても、それは豪農の館を保存したもの。
ここは一般的な博物館の展示とは異なり、
あるべきものがあるべきところにあるのが素晴らしい。
すごく広い屋敷で、いろいろと面白いものがたくさんあったが、
巡っているうちに床の間に掛けてある軸が目に飛び込んできた。
なんと素晴らしい字!
素晴らしいとは思うけど、何と書いてあるか読めないし、もちろん意味も分からない。
だが、こりゃーただモンが書いた字じゃないなー、
ただただ凄いなーと思わずにはいられなかった。
力が抜けて 、外連味というものが全くない。
のびのびとして自由で、線と線がお互いに響きあい、
リズムがあり、明るく、華やか。
下にあった解説文を読んだら、書いたのは良寛。
字は「見人無力下禅床」人を見て禅床を下るに力なし、と読むそうだ。
老いたからこそ人を見て、椅子から下りてどんな人にも接することが出来るようになった、
という意味とのこと。
下は北方文化博物館の建物の一部だが、良寛の字と通じるものを感じた。
このようなところまで辿り着くことができるのは何時のことだろうか。