小澤征爾さん

2024.02.11

小澤征爾さんが亡くなった。
小澤さんは僕より一回り年上の猪。
遠い存在だが年の離れた兄貴のような、 希望の星のような存在だった。
ボストン交響楽団、新日本フィル、松本での斎藤記念の演奏会など、
小澤さんの講演はずいぶん聞かせて頂いた。

小澤征爾指揮、ベルリンフィル、チャイコフスキー交響曲6番「悲愴」Youtubeから

小澤さんの指揮は、 曲の最初から最後まで 、 部分から全体までが緻密に構成され、それを楽団員にどういう風に演奏して欲しいか、 体で音楽を正確無比に表現していた。それは凄いとしか言いようのないものだった。
だから聴衆は小澤さんの指揮の姿と共に音楽を聴くことで、音楽をより深く音楽に入っていくことができた。
小沢さんは演奏会で楽譜を見ない。譜面台自体がないこともあったし、また置いてあっても楽譜は閉じられたままだった。
交響曲の指揮者の譜面は各パートが何列にも重ねられて書いてあるから分厚い。そのすべてが頭に入っているとしか思えないくらいに緻密に、しかも全体を把握しながら指揮しているように思えた。
小澤さんは相当の勉強家だったらしい。毎朝、日の出前から起きて譜面を読むのを日課にしていたとか。
だから、演奏会で楽譜を全く見ないというのが可能だったのだろう。

小澤さんを育てたのは、良く知られているように斎藤秀雄。斎藤秀雄は怖く情熱のある先生だったとか。そのような先生の元だからこそ小澤さんが生まれたのだう。芸術は半端じゃ生まれない。
斎藤秀雄から小澤さんへ、日本の西洋音楽を世界に開いてくれ、さらにそれは東アジアの音楽家にもそれを広げてくれた。
小澤さんには、もちろん素晴らしい演奏を堪能させてもらたことと共に共に、音楽以外にも勉強をし続けること、勉強の楽しさ、前向きに生きることの大事さを教えて頂いた。

小澤征爾お薦めCD
ブラームス:交響曲 第1番  サイトウ・キネン・オーケストラ 指揮小澤征爾
ブラームス:交響曲 第4番  サイトウ・キネン・オーケストラ 指揮小澤征爾