いい形は いい型から
2017.05.21
つい最近完成したばかりの住宅の2階には中庭(パティオ)があります。
そのパティオの床はタイル貼。
タイルは水平の床面だけでなく壁面も少し立ち上げていますが、Rを取って(カーブにして)優しい感じに仕上げている。
角が直角より断然柔らかい感じになる。
でもこのように施工するのは大変。今時、こんな仕事をする職人はほとんどいなくなった。
そこで考えたのが、タイルを張る下地のモルタル面を正確に作っておけば、タイルはそれに倣って張ればいい。そのためにモルタル面の断面の型を作って職人に渡す、というもの。
これがその型(定規)です。
赤い線がモルタル面で、緑の線がタイルの仕上がり面。
左上のベニアが実際に使う型。
下側のカーブがモルタル面、上のカーブがタイルの仕上がり面。
この型(定規)でコンクリートの上に置いたモルタルを引きずっていけばタイルの下地が正確にできるはず。
そしてタイルを貼ったら、上側のカーブでタイル面を修正する。
この型を職人に渡すときに役立つ?と聞いたら、役立つかな~?、だって。
仕事が終わって、もう一度聞いたら、役立ったよ!とのこと。
このような七面倒臭い仕事を職人にやってもらうには、こちら(設計者)もそれなりのことをやるしかない。