「フェルマーの最終定理」 「ある日の村野藤吾」
2008.12.28
正月は何やってたんだろうと、終わってしまえばそんな感じだが、
来る正月は「フェルマーの最終定理」なんて本はいかがでしょう。
フェルマーの最終定理とは数学の難問中の難問で、
最近アンドリュー・ワイズという人によって360年ぶりに解かれた。
数学の本だから面白くない、と思われるかもしれないが、
読み物として、またその理解としても(理解できないところもあったが)平易で面白い。
御屠蘇気分でも読める?本。
建築家向けのお勧め本ですが、「ある日の村野藤吾」。
村野藤吾自身が書いた文を集めたものです。
村野さんはほとんど文を発表してなく、
作品でしか村野さんを知るよりほかない。
文がないだけに、また会ったこともない人だけに、
生の村野はどんな人だったのか想像しにくい。
ところが、遺族によって日記や手紙が公表された。
そこに書かれたものは、これまで村野によせていたイメージとは遠いもの。
本に発表できない内容のものが他にたくさんあると思えるが、
これだけでもかなり村野の真実を知ることができる。
晩年の文中の「最後の日まで鉛筆を離さないでいたいものです」は、
実際に93歳にしてそうなったわけで、
建築にかける意思がそれを現実のものにしたのだろう。