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シラキ・・・。

2007.08.24

千葉の本八幡で作っている住宅の植栽工事を今日やった。
その中の一本がこれ。
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木の名前はシラキ(白木)。
枝が白いからこの名前になったのでしょう。
でも秋には真っ赤に紅葉する。

とっても優しい柔らかな感じの木です。
この木いいな~。

月に響く笛・・・。

2007.08.21

事務所にいた元所員が、
「この本、面白いですよ、凄いですよ」と持ってきた。
新幹線の中で、一気に読んでしまった。

心が震えた…。
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現代の名工…

2007.08.17

の紹介です。
最近この人、上手い!思わせる職人がどんどん減っています。
すべてが手っ取り早く、簡単にいく方向に進んでいるからか、
気合も必要ない。
だから知力も減退し、下手になる。

ところで、名人というと何か神秘的な力を持っているように思われがちですが、
そうではなく問題は、この知力。
物事を順序良く適確に考え、それを積み上げる能力です。
今日、会った大工はそんな大工です。
ちょっとオシャベリ、でも照れ屋ですが・・・。
できる職人は、解説したがるから、それは仕方ない。

彼が今やってくれている現場の写真です。
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実にきれい!美しい!
きれいに作れるとは、つまりキチッと収まっているわけで、
幾何学的能力があること、なんです。
次の写真はその拡大写真。
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しかも、金物(部材と部材を緊結する金属)がいっさい見えませんが、
実は隠して、ちゃんとついています。

ところでこの大工はこのような仕事をどうやって進めたかというと、
実際の大きさ(原寸)をべニアの上に書き、
細かいところがどうなるか、寸法を当たっています。
ちゃんとプロセスを経て作っています。
その下小屋での写真です。
丸い穴は実際の材を固定するために開けたもの。
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さらにもう一つの現場の、やはり下小屋での打ち合わせ風景。
なかなかいい面構えの大工さんです。
こんな大工がもっと復活することを祈りたい。
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ミッションスクールの…

2007.08.12

建物は外人建築家によるものがかなりありす。
先日の聖心女学院のレツル、それからレーモンド、ヴォーリーズといった建築家です。
日本人の建築家に頼むより、
キリスト教の国から来た彼らに依頼するのは当然の成り行きだったのでしょう。

作風はコルビジェに代表される近代建築というより、
様式主義的色合いが強い。
しかし、なかなか美しい建物があり、
現在でも立派に使われているものがあります。

それで先日のレツルに引き続き今日はヴォーリーズ。
僕の好きな建築家の一人です。

戦前ヴォーリーズは宣教師として日本にやってきた。
なんと彼は薬の、メンソレータム会社も経営していたのです。
宣教師、兼製薬会社経営、病院経営、そして建築家。
こんな建築家はほかに聞いたことがない。

しかも建築家としても優秀で、
日本国内はもちろん、戦前は満州、樺太でも仕事をやっていて、
何千という建築を日本に残しています。
有名なミッションスクールの建物では、
「神戸女学院」、「関西学院」、東京の「明治学院礼拝堂」などなど、
日本全国に散らばっています。
学校建築だけでなく他にもいろいろやっていて、
例えば、京都四条の鴨川べりにある一風変わった建物があり、
気になった方もいると思いますが、
中華飯店の「東華菜館」もそうです。

ヴォーリーズは近江八幡(メンソレータムの会社の名は近江兄弟社)を拠点に活躍しましたから、
関西に多くの建物を残し、関西ではよく知られた存在です。。
外人にも関わらず地域で有名で、また愛される建築家は日本人でもそういないでしょう。

ヴォーリーズの建築を見ると近代建築に欠けた何かを見出すことができます。
まず、理屈抜きの美しさ、人々の共感です。
ヴォーリーズの建物で僕が特に好きなのは神戸女学院。
あんな学校で勉強できたらいいな~と思わせる建物です。
でも僕は絶対無理。
で、下の写真があこがれの神戸女学院です。
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聖心女学院の・・・

2007.08.11

門の写真です。
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先日、白金(東京都港区)で家を建てたいという方がいて、
敷地を見に行きました。
ずっと昔(もう40年近く前か)白金あたりを歩いていて、
偶然見た「聖心女学院の門」が印象深かったことを思い出し、
敷地を見たあと、聖心は確かこのあたりだったな~と、尋ねてみました。
もちろん妃殿下がご卒業なさった学校だけのことはあり、ガードは固く、
門より中にいることはできませんでしたが…。

この門のデザインはかなり特異です。
でも何か引き付ける力があります。

設計をしたのはヤン・レツルというチェコの建築家。
20世紀初頭に日本で設計事務所をやっていた人で、
何でかは分からないが、最後はプラハで自殺したそうだ。

ところでこのレツルが設計した建物はほとんど現存してませんが、
有名なのが広島の原爆ドーム。
彼は原爆がさく裂する前に亡くなっているから、
自作が後世、あのような運命をたどるなど思いもよらなかったでしょう。
期せずして、世界遺産を設計したことになるわけだ。

ところで聖心女学院の門は、和風の要素もあり、
アーチなどはもちろん西洋を思わせる。
またアールヌーボーやセゼッションも感じさせる。
さまざまな要素を一つの形にまとめ上げることができたのは並ではないようです。

かって日本にやって来た好きな建築家の一人に、
メンソレータムの会社もやっていたヴォーリーズがいるが、
彼の作品は結構残っている。
しかしレツルの作品はほとんど見ることができません。
もう少し残っていたら、と思う建築家だ。

先日もあったのですが…。

2007.08.08

このブログを見て下さっている方はご存じだと思いますが、
今年の初めにカンボジアに行きました。
それはカンボジアでクメール伝統織物研究所を主宰されている森本喜久男さんという方に会うため。
その森本さんの紹介があすTVであります。
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彼の活動の深さ、幅の広さを紹介するにはTVのチョッとの時間では無理があるかと思いますが、
その片鱗は見えると思います。
実は先日もテレビ東京であったのですが、明日はBS。
9日(木)夜10時30分~10時54分に、BSジャパンで再放送されます。
よかったら見てみてください。
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拙作・泰山館を…Ⅱ

2007.08.08

見に来た大学院生のグループが感心していたことの一つに、
「小割りの窓」があった。
今、一枚ガラスの大きな嵌め殺しの窓が流行っている。
スカッとしてカッコよく、現代建築にはなくてはならないボキャブラリーの一つ。
僕も時々場所によっては使う。
ところがこの泰山館には「小割りの窓」が多用されている。
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実は窓の大きさにはいろんな作用があって、
遠くの景色を見るには大きな一枚ガラスの窓を、
逆に近くに視線を持っていくにはこの「小割りの窓」が有効だ。
泰山館では、中庭の木々に視線を持っていくためのものだ。
これはその場に立って実感してみないとわかりにくいことだが、
写真でも多少は理解していただけると思う。

デザインというのは、ある程度の理屈がある。

拙作・泰山館を・・・

2007.07.31

を見学したいとのことで、院生グループを案内した。
自分で言うのもなんだが、この集合住宅は完成後、時を経るごとに良くなってきている。
設計者として本当にうれしい。
樹木は大きく育ち、ますます自然と一体化してきている。
自然の力は大きい。
人間の小さな頭で考えるだけでは限界がある。
自然とともに育くむことは、とっても大切なことだ。
しかしそんなことはまれ。
そんな意味で泰山館をいろんな人に見てもらいたい。
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この庭を大切に育ててくれたオーナーの小杉さんと院生の一人。
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敷地内に植えてある葡萄。
もう少しで食べられるようになる。
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総武線から見る風景・・・

2007.07.28

って、結構いい。

快速の中央線より、総武線が好き。
中央線は疲れるが、まだ総武線はのんびり。
それに御茶ノ水―新宿間は中央線、総武線とも同じようなところを走っているにもかかわらず、
見える緑の量が違う。

その中でも一番好きなのが、
四谷から市谷に向かう時の左側に見える松林。
ほんの瞬間だが、
東京にも電車からこんな風景が見えるのかと喜んでしまう。
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それにしてもこのくらいの風景で喜んでしまう僕らはなんと悲しいこと。
少なくともこんな風景が御茶ノ水―新宿間ぐらい続いていたら・・・。

明後日は参院選。
「美しい日本」本気で、本当にやってくれないかなー。
そうしたら1票入れてもいいのだが、
そうならないだろうなー。
そう思ってしまう自分が悲しい。

去年の雪辱、・・・Ⅳ

2007.07.27

いやー、負けちゃった。
でも面白い試合だったし、日本の課題がはっきりした試合だった。
しかも、オジャマ虫さんの書き込みのように、
Wカップを考えると負けて、それはそれで良かったのではないか。
予選突破はそう甘くないと、これからの精進がヒートアップするに違いない。
オーストラリアなどは本番はWカップ、なんて捨て台詞を言って帰って行った。

サウジとの一戦も例の如くプロジェクターで皆と観戦。
終わったのは0時頃。
そのあとはwith BEERで3時過ぎまで反省会。
東郷平八郎が日本海海戦で使ったT字戦法が日本代表に使えないかなんて、
かなり酔ってバカなことを言ったりしていた。

こんなこと書くと仕事をしてないように思えるかもしれませんが、
仕事抜きで皆とワイワイやれる、
たまにしかない、息抜きの楽しい一瞬です。

それにしても、決勝は凄いことになってしまった。
あの湾岸戦争をやったイラク対サウジだ。
しかも3位決定戦が日本対韓国。
何もなければいいが。

去年の雪辱、・・・・Ⅲ

2007.07.24

日本―カタール戦で分けた時に、オシムの怒りが爆発。
半分本気、半分シュミレーションだったに違いない。
そのあとの試合では選手の動きががらりと変わった。
また、オーストラリア戦の前にPKの練習をさせていた。
PKまでもつれ込むことも予想されたが、
オシムの本当の本当の狙いは、
日本代表にタフな試合を覚悟で臨ませることにあった。

オシムは、
「過去、現在、未来」を、いつも通して見ているようだ。
しかもその時間軸は短期、中期、長期と、さまざまに絡み合っている。

なるほど、できる人とはそういうものなんだ。

去年の雪辱、・・・・Ⅱ

2007.07.22

昨年のドイツでみた日本―オーストラリア戦、
体力的にオーストラリアが日本を圧倒していた。
オーストラリア選手は日本に比べ、
身長も高く、がっしりしていた。
日本選手は跳ね飛ばされ、小突かれたり、
子供扱いだった。
体格的に劣る同じ日本人として、本当に悔しかった。

だから今回、又あのオーストラリアと当たることになり、
オシムになったとは言え、かなり難しい試合だと思っていた。
しかし結果は勝ち。
よくやってくれたと思う。
日本があのような頑強で屈強な相手に勝つには、
今オシムがとっている可変性のある連携を中心にした組織力、
いわゆるオシムの言う「日本化」しかないだろう。
それが試される、そんな意味合いを持った試合だった。

ところで昨日TVを見ていて、気づいたことは、
TVでは、オーストラリア選手のあの頑強な体格が見えにくいこと。
ナマでみると体が物体として、エネルギーとして感じられる。
しかしTVではそれらが捨象され、薄っぺらになってしまう。
現実とは大違い。
やはりTVはバーチャルなのだ。
実際に目の前で見るオーストラリア選手と、
TVで見る彼らの「見え方の違い」が、
大いに勉強になった。

実は、建築もバーチャル化してきている。
設計のプロセスが、近代建築とともに、
さらにパソコンの導入とともに、バーチャル化している。
実現した建物は、バーチャルの物質化、
あるいは間接物質、と言えばいいのか。

オーストラリアに勝ったうえに、
いろいろと考えさせられた、グーな試合でした。

去年の雪辱、・・・・

2007.07.21

オーストラリアに勝った。
昨年ドイツで見た試合が、日本―オーストラリア戦。
惨めな敗戦だった。
今日は例の如くプロジェクターで映した大画面で、
事務所のみんなとビールを飲みながらの観戦。
と言っても、明日は一級建築士の試験があるので、受験者はかわいそうに先に帰ったが。

ところでオシムのもと、確実に日本は成長している。
アジアカップ、もうしばらく楽しめそうです。

ワンセグ・・・

2007.07.12

ラジオにも地デジがあるんですね。
雑誌「PEN」をパラパラと見ていたら、
地デジでクラシック音楽ばかり流している局があるらしい。
それを聞くには、パソコンのUSBにそれ用のアンテナを取り付けるそうだ。
早速また楽天で買い求め、聞いてみた。
外付けのスピーカーからだと、もちろんチャンとした音になるが、
パソコン本体のスピーカーから小さい音で、
分かるか分からない音量で微かに聞こえてくるのがいい。
特に原稿を書くときには最適。
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こんなことはあまり白状したくないのだが、
原稿の案を練るのは、
自転車に乗っているとき。
車では運転に気を取られるし、
電車ではゆったりした気分になり過ぎる。
自転車だと適度の運動をしながら、
目の前の風景も程よい変化がある。
その刺激がいろんなアイデアをもたらしてくれる。
建築のプランニングは手を動かしながら…、
飲みながらも思索を広げてくれる。
ただし飲む相手次第だが…。
何かをやるのに最もいい環境を意識的に選択する、
わけだ。

文豪が書斎で頬に手を当て、静かに原稿用紙に向かっている写真がよくあるが、
僕にはそんな風にしてはなかなか書けない。
多少の刺激が必要だ。
と言って、話しかけられては無理。

そんなわけで地デジのOTTAVAというクラシック専門局が、
パソコンに向かいながらの原稿書きに最高だということを発見した。

最近桐箱入りが・・・

2007.07.09

多くなったと思いませんか?

以前は桐ダンスというと高級品。
また骨董など大切なものを入れたりした。
「箱入り娘」の箱も多分桐箱だったのではないでしょうか?
ところで最近、桐箱入りの商品がすごく増えたようだ。
先日デパートで買った和菓子も桐箱入りだった。
桐箱に入っていて、とっても美味しそうに見え、
ついつい買ってしまった。
(ちなみに僕は結構甘党でもある。)

ところで、今日事務所に家具や楽器用の高級な木を扱う材木屋さんが来た。
彼の話だと、
なんでも世界で一番安くなった木が桐だとか。
何で安くなったかというと、
桐ダンスなどに使う需要がほとんどなくなってしまったかららしい。
なるほど。

だから床材として桐が使われることもある。
桐が足蹴にされるまでになったわけだ。
でも床にペタッと座ると気持ちがいい。
畳と板のあいだ位の感触。

何で桐の話になったかというと昨日、
古酒(くうす)を頂いたが、それがやはりこの桐箱入りだった。
古酒とは泡盛のビンテージもの。
17年ものだった。シメシメ!ありがたい。
包装を開けたとたん、オッツ、桐箱入りお酒!
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ますます高級に、
人にはそうそう簡単には飲ませたくないお酒見える。
現在、僕の後ろの本棚に飾ってある。

ついでに、材木屋さんの話で最も高価な木は、
インドで採れる紅木(こうぼく)だそうで、三味線の柄に使う木だそうだ。
いいものになると三味線の柄一本で何百万らしい。
知らなかった。

Apartmennt遙(よう)

2007.07.06

というアパートを二年前、花小金井に作りました。
貸し室が4部屋、それにオーナー住戸の小さなアパートです。
キミョウキテレツなデザイナーズマンションが流行っていますが、
このアパートは普通のアパートです。
「自然で普通、でも何かいいよね!」と思えるようなアパートを作りたいと思いました。
ただし、植物は一杯。
立派に育った生垣の間を通って各部屋に至ります。
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看板はいつも書いてもらっている望月通陽さんによるものです。
いい字体が木の間に密やかに微笑んでいます。
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別段、派手なデザインをする必要はない。
木々がいい環境を育ててくれます。

こんなに美味しい中華は・・・Ⅱ

2007.06.28

先日の美味しい中華料理店、枉駕(おうが)の後日談。
お店で飲んだお酒は芋焼酎。
料理も気分も良く、多分僕がボトルの2/3空けたと思う。
ボトル2/3飲むと、ふつう明くる日の朝はちょっと気分が悪いはず。
ところが全く二日酔いなし。
爽快な朝だった。

焼酎の名は「天地水楽」。
この店で置いてるだけあって有機栽培の芋と米から作った焼酎だ。
さすが!とさっそく楽天で買い求めた。
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ところがである。
同じ焼酎のはずが、翌日はかなりの二日酔い。
朝は何んとも気分がすぐれず…。

あの店で飲んだ時は最後に、
「甘草」という胃、肝臓にいいお茶が最後に出てきた。
多分かなり飲んでいることを知って、
薬膳よろしく、店主の気遣いで出てきたのだろう。
お酒も他の料理との組み合わせが大事、
なんだな~。

超不思議な…

2007.06.26

地盤改良です。
東京の東部には軟弱な地盤が広がっている。
そんな敷地での建築には地盤改良が必要だ。

現在荒川区で小さな住宅を手掛けている。
しかしそんな小さな住宅の地盤改良でも結構な予算になってしまう。
摩擦杭といわれる地盤改良では130~140万の見積になった。
小さな住宅ではこの金額は大きい比重を占める。
困った挙句、探し出したというか、
思い出したのがこの土嚢(どのう)による地盤改良だ。

工事はなんてことはない。
まず、根切り底に砂利を詰めた厚さ8センチぐらいの土嚢を3段敷くだけ!
これだけで驚異的な地耐力が出る。
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この工法の基本原理を考えたのは、
名古屋工業大学名誉教授の松岡元先生という方だが、
施工方法で特許を取ったのは、以前僕の事務所にいたことのある野本太君。
彼は現在、埼玉県の建設会社(野本建設 tel 0480‐61‐0266)の社長だが、
彼がかつて熱く土嚢のことを話しているのを思い出し、
今回の地盤改良を依頼することになった。

工事費は何と40万弱。

たかが土嚢を積むぐらいで本当に何十トンもの耐力が取れるか、
以前は半信半疑だったが、
公共工事や、滑走路、工場などにも使われ、
施工事例がだんだん増えてきているようだ。

しかも制振の働きもある。
地震が来ると、
土嚢の中の砂利の動きが熱エネルギーに変化するわけだ。

軟弱地盤で困った時のため、
この情報を頭の隅っこに入れておくといいです。

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