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八勝館

2013.12.15

名古屋に八勝館という料亭があります。
料亭に出入りするような身分ではないのだが、
八勝館には建築家・堀口捨巳(ほりぐちすてみ1895-1984)が設計した「御幸の間」という将来国宝になること間違いなし、の名建築があります。
堀口捨巳は僕が最も尊敬する建築家の一人だが、
八勝館からは学ぶことが多く、高い昼飯代を奮発して何度か見学に行ったことがあります。

最近またこの八勝館に行ったのだが、今回は違った目的で、
今作っている建物の庭師に、この八勝館の庭を参考にしてもらうため。
八勝館の作庭は誰かわからないが、それなりの人の手によるものに違いない。
その庭です。
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基本は苔と楓。

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せせらぎです。

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何種類もの苔が混じり合っている。

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桂離宮のような路地

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このような庭になるには時間がかかるだろうが、
今、作っている建物の庭がこのようになることを夢見てます。

富士山

2013.12.03

東京も晴れた日が続いているが、
西へ行く新幹線の車中、
乗務員さんの突然のアナウンスで、
「本日はよく晴れ、右側の窓から富士山がよく見えます」との放送。
乗客はこぞって右の車窓を。
新幹線から見た富士山は雲一つない青空を背景に堂々と構えていた。
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こういう風景を持つ私たちは幸せだ。

而邸 ⅩⅣ

2013.11.26

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長谷川等伯ほどではないが、
朝起きたら一幅の絵が。

この絵を描いたのは建築家に建具屋、和紙漉き職人、秋田の林業家、大工・・・・、
それに枝垂桜の手入れをしてくれている植木屋、高度の低い朝の太陽、日本の伝統も入れなければなるまい、
この一幅の絵の成立を考えると無限に広がっていく。

一片のテクストが生まれるまでに無数のファクターがある。
無数のファクターが絡み合って織り上げられたテクスチャー(texture)。
建物は生成的なもの。
誰のものというわけではない。
しかし、美しく織り上げられたテキスタイルとそうでないものはある。

而邸 ⅩⅢ

2013.11.22

日差しが長くなってきた。
自宅のダイニングの窓は東南を向いていて、
この時期になると朝日がなが~く部屋の中に入ってくる。
5メートルくらい入っているかも。
朝の陽光を浴びながらの朝食は幸せな気分になる。
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私は誰でしょう?

2013.11.16

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長編を作るのはヤーメタ、なんて言ってません!

やっぱー、ミヤコだなー。

2013.11.06

先日、第9回目の「木の建築賞」の第2次審査会が京都造形芸術大学で開かれた。
今年からこの賞の審査委員長をやっている。
審査委員長と言う役を果たしホッとしながら、
小雨の中、哲学の道の南禅寺前辺りを歩いていたら、
堂々としているが、何とも品のいい門がある。
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門の足元を良く見たら、
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柱の足元は雨でやられるので、
装飾を施した板で保護しているのだろう。
この板の小口(切り口)は白く塗装をしてある。
さらに板の止め方にも、大きめの鋲を装飾的に打つ工夫がしてある。

またちょっと歩みを進めたら、
こんな屋根が。
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おそらく鉄筋コンクリート造に違いないが、
そう思わせないように屋根や外壁に工夫がある。

さらにちょっと行くとこんな踏み石が。
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ほんのわずかな散歩だったけど、幸せな気分になった。

弾丸ツアー Ⅳ

2013.11.02

もう一つ素晴らしいホテルがあった。
カペラホテルと言うのだけど、古いコロニあるスタイルの建物に、
最近増築したモダンな建物が調和している。
コロニアルスタイルの建物は、
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で、それに合わせた建物がこれ。
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まるっきり違う建物だけど、調和している。
と言っても、二つの建物に共通している要素は、
古い建物の赤い瓦の屋根と、新しい建物の外壁の赤がほぼ同じ色に揃えてあるくらい。
だが、どちらの建物も品がある点で共通している。
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新しい建物の設計者はノーマン・フォースター。
何も形や色をそろえさえすれば調和するっ、てんじゃない、よね。

弾丸ツアーⅢ

2013.10.31

たった36時間のシンガポール、
ほんのチョイしか見てないわけで、どの建物が一番良かったと言える柄じゃないが、
見た中では、有名なラッフルズホテル。
コロニアルスタイルで、明治の初めのころに作られたホテル。
第二次世界大戦中は日本軍が占領していたため、
このホテルも接収され、メイドさんの服も和服だったとか。
今や想像だにできない。

この写真はラッフルズホテルの紹介でよく見かける写真だが、
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スケスケの模様に光の透過がきれい。
南国らしくいろんなところにスケスケの模様が使われている。
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決して白と黒で全体がまとめられているわけではないが、
白い塗装に対し、その他が落ち着いた色なので黒く見える。
そのことにより白自体の柄と、濃い隙間の模様がはっきりと映し出される。
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弾丸ツアー Ⅱ

2013.10.25

シンガポールは36時間滞在だったけど、
もっと遠いベルリンにやはり同じくらいの滞在時間、という旅行もあった。
ベルリンの壁が壊されて間もない頃、
ある企業の社長が、
「泉さん、旧東ベルリンにある貴族の館を購入したいんだけど、本当にいい建物かどうか見てよ」とのことで見に行った。
この時も短時間だったけど、目的の建物以外にもたくさんの建物を見ることができた。
もっともその時印象深かったのは、第2次世界大戦の弾痕の跡がまだそこらじゅうに残っていて、
戦争の生々しさを見たこと。
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次の弾丸ツアーはワールドカップドイツ大会。
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このツアーはまさしく「弾丸ツアー」と銘打ったものだったけど、
この時も会場近くの街の建物をたくさん見ることができた。
ケルンの大聖堂もこの時始めてみた。
もっとも試合のほうはオーストラリアにボロ負けだったけど。
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意外と短時間の海外旅行でも結構建物を見ることができる。
建築家って、本当に貧乏性。

それにしても地球は本当に小さくなった。
僕らが子供の頃、海外旅行は夢のまた夢だった。
今や、日常的に海外を行ったり来たりしている人はザラ。
何十時間、いや何時間滞在なんて当たり前になってきている。
でも僕らにとって、海外はやり新鮮な体験。

弾丸ツアー

2013.10.04

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滞在時間わずか36時間だけど、このような建物がある国に行って来た。
結構有名になった建物なので皆さんもご存じかも。
シンガポールにある超高層の建物です。
3つの超高層ビルの上に船が乗っているようなデザインで、一度見たら忘れられない。
建築家はモシェ・サフディー。
このサフディーさん、最初に名前を聞いたのは僕が建築を勉強し始めた頃の大昔。
1967年のモントリオール万国博覧会で、
若くしてアビタ67と言う建築史にも残るような集合住宅を作り、超有名になった。
しかし、その後彼の名前をまったく耳にしなくなったが、4~50年ぶりに聞いたのがこのシンガポールの建物。
この建物を近くに行って見たいとは思わないが、
その後の彼の人生の変遷をも遠くから見ているようで、
感慨深い。

鈴なりの抜け殻

2013.09.30

今年の夏は本当に暑かったけど、ここ数日、その暑さを忘れるほどに涼しくなってきた。

都内に作っている住宅の庭に大きな白木蓮が植わっているのだけど、
その白木蓮に、
夏の暑さを思い出させてくれるかのように、
蝉の抜け殻が鈴なりについていた。
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今年も明日から10月だなー。

どこの川と言わない方がいいでしょう

2013.09.15

出張先の現場の近くの川です。
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東京でも川に鯉がいるのは珍しくないが、
この川の鯉はチョッと違う、どうも立派なようだ。
良く見たら、
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すごい!

純白の鯉がいる。

一緒にいた現場監督が言うには、
プラチナと言う名前の鯉なんだそうな。
誰のものというのではなく、
みんなが見れるのは素晴らしい。

HAKUTAKE Limited.

2013.09.04

焼酎を持参して、
打ち合わせに建て主さんが来られた。

その焼酎が何とも美しい。
最近、美しい瓶を見るがこれほどのものは滅多にない。
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名前を見ると「白岳リミテッド」とある。
「白岳」は聞いたことのある名前。
僕が育った町を流れる川の上流、人吉市の酒蔵。
「しろ」と言う焼酎で有名。

この焼酎がマイルドで美味しい。
絶品と言ってもいいくらい。
焼酎は芋か麦か米から作るのが一般的だが、
この焼酎の原材料はナツメヤシと書いてある。
ロシアでは革靴からウウォカを作ることもある、と読んだことがあるから、
ナツメヤシということはあるにちがいない。
それにしても美味しい。

美味しいから、アッというまに減っていく。
半分くらいになったところで、
この瓶を建て主さんと良く見たら、瓶の中にまた瓶がある。
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なんでだろう? 理由がよくわからない、不思議?

ちょっと飲み過ぎの打ち合わせだったけど、
いい建物になること間違いなし。

滝のような雲

2013.08.31

長野県、上田での打ち合わせの帰り、
車窓から向こうの山を見上げたら、
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山から雲が滝のように流れ落ちている。
車から降りて写真をパチリ。
運転をしていた地元の人によると、
たまにはこのようなことがあるらしいが、
これだけ大規模のものは滅多にないとのこと。

山の名前は太郎山で、その向こうがスキーで有名な菅平。
六文銭、真田幸村はこの山のちょっと奥とのこと。
流れ落ちる雲が、幸村の怒涛の攻めのように思えた。

板金屋に乾杯

2013.08.20

都内に建てている住宅です。
屋根だけが姿を現した。
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1階と2階の屋根がつながっている建物を大屋根の家と言います。
東北の民家に原型があるが、
昔の建築家もよくやっていたが最近は見かけない。

この屋根は大工も大変だったが板金屋も大変だった。
屋根がグルグルとつながっているように葺いてあります。
屋根が折れると勾配が変わるから、
板金の幅も変わる。
と言っても素人にはわかりにいくと思うけど、
まっ、七面倒な仕事です。
今年の夏は特に暑かったけど、
屋根の上は尋常じゃなかったに違いない。

通りすがりの人はみんな見上げていくけど、
これは板金屋のおかげなんです。

August 16, 2013

2013.08.16

長い間使っていたデジカメ、リコーGXが調子悪くなった。
このブログの写真もほとんどがこのカメラで撮ったもの。

リコーGXは広角レンズが付いていて建築家がよく持っているカメラ。
茶室などは広角レンズじゃないと撮るのはほとんど不可能。

新しいカメラを探しにカメラ屋に行ったらいまでは広角のデジカメがいろんなメーカーから出ていて、
新しく買ったのがCANON s110。

結構良く撮れる。
早速何かとってみたいと思い撮ったのがこれ。
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ブログを見ている方から「泉さん、どんなカメラで撮ってるの?」とよく聞かれるが、
これからはCANON S110です。

今出ている雑誌

2013.08.07

現在発売中の「新建築」8月号に、
Apartment惣(そう)が出ています。
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本屋さんで立ち読みでも、どうぞ。

これが大学の門

2013.08.02

ム、ム、ム、こりゃなんじゃい?
広尾の高級住宅地を歩いていたら、
立派な門に遭遇。
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この立派な門は何?
と思ってみたら聖心女子大学の門。
さすがー、皇后陛下ご出身の大学。

でも、以前見た門も皇后陛下ご出身の学校だったよなー、
と思いきや、以前見たのは聖心女学院で、
今回見たのは聖心女子大学の門。
聖心女学院と聖心女子大学がこんがらがっていたようだ。
聖心女学院の門についてもこのブログに書いたことがあるが、
聖心女子大学の門も立派。

かつて久邇宮(くにのみや)家の敷地後だったとかで、
何と宮家の通用門だったらしい。

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