3泊4日巡業

2010.08.14

2日目は丹波篠山(ささやま)へ。
篠山は瀬戸内海と日本海の間にある山深いところ。
篠山で左官の名人、久住さんに会うため。

建築関係者では久住さんの名を知っている人は多いと思うが、
久住さんは左官の名人というには、それだけでは何か物足りず、
左官を中心に置きながらも、左官の領域を超えた視野からそれを見ている人、
とでも言えばいいのか。

篠山でいろんな灰屋(はいや)を案内してもらった。
灰屋とは、植物を燃やした灰の肥料を作るための、土でできた小屋。
もちろん化学肥料が出回った現在は使ってない。
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日本ではめったに見れない土の力強さがある。
草を建物の中で燃やすわけだから、土でできている。
壁は土を積み上げながら横から叩いて作る。
(これは版築ではない、版築は型枠を作り上から叩く)。
屋根の骨組みは木造だが、土で仕上げて耐火構造にしてある。

土を積み上げた建築はここ篠山だけでなく、
国東半島や、長崎地方でも見ることができるが、
美的な最高峰は法隆寺の版築の塀。
遠い、遠い古代、大陸から流れてきたの日本の建築の源流を思い浮かべることができる。

篠山の灰屋は朝鮮半島の新羅に源流があるとか。
久住さんは最近、土を通して歴史学者の領域まで達したようだ。