芸術の秋 Ⅰ

2011.10.01

「新制作展」と言う公募展があります。
彫刻の佐藤忠良、船越保武、絵画では猪熊 弦一郎、
スペースデザイン部門では丹下健三、前川国男、吉村順三、
それに僕の先生もその部門を引っ張ってきた。
そうそうたるメンバーがいた長い歴史のある公募展です。
以上の人はみんな亡くなったけど、
僕の先生の弟子(兄弟弟子にあたる)たちは出品し続けていて、先週見に行ってきた。

現在は新しくできた国立新美術館で開かれているけど、
それまでは何十年も上野の東京都美術館で開かれてきた。
長い間見続けてき僕にとって「新制作展」と言えば上野の山、と先入観がある。

先週行ったとき、ついつい上野の方へ行ってしまった。
あっ、いけない、間違っていると気付いたのは上野の山を登る途中。
そういう人はけっこういるらしい。

日曜日と言うこともあって、まぁ~いいかと不忍池をぶらりと散歩。
不忍池には蓮がびっしりと群生している。
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蓮は不思議な植物。
沼からすっと茎が立ちあがって大きな丸い葉を持ちあげている。
葉の下はひっそりとしているが、よく見ると小さな生物がうごめく、近い景色の空間が広がる。
一方、葉の上は空の下で葉がずっと連なり、向こうまで見渡せる開放的な、遠い景色の空間だ。
遠い景色と近い景色、それぞれ違った両方の世界を同時に見ることができる植物だ。

蓮を見ていて、ふと思い出したことがあった。
それは次回に。