石水院 Ⅲ もう一つ東福寺

2009.09.14

東福寺の蛙股のついでに、
これも東福寺のデザインです。
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屋根の勾配にそってカーブして付いている板を破風(はふ)と言います。
又、その下に付いている飾りを懸魚(げぎょ)と言います。
この懸魚は木はと思えない程に繊細で華麗です。

この華麗さの形を分析すると、
このデザインには全体を形成する大きな形と、小さな形が重層しています。
その中間の形もあります。
つまり、形の大きさにヒエラルキーがあります。
又懸魚自体の形(凸)もありますが、その周りの空間の形(凹)もあります。
凸の形も綺麗ですが、凹の形も流れるようなリズムがあります。
重層した形は同時的にも存在しますが、その見え方は見る人との距離で変わります。
近代建築にはないデザインの深さです。