現代の名工…Ⅲ(仮組)

2007.10.06

仮組(かりぐみ)の続きです。
仮組は並べたべニアの上で行いますが、
そのべニアには設計図面を現物の大きさに伸ばした図が描かれています。
その上に部材を組み立てます。
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仮組の本当の目的はここからです。
べニアに挽いた線の上にレーザー光線を出す器具を載せます。
この器具にはジャイロがついていて自動的に重力に対し並行、垂直のレーザー光線が出ます。
その光線を使ってべニアの線に対し垂直な線を上部の部材に出すことができます。
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この作業を昔の大工は「下げ振り」という道具を使って行っていましたが、
現代は風が吹いても「下げ振り」が揺れることもなく、垂直線を出すことができます。
このようにして出した線で上空にある部材の加工すべき角度を正確にに出すことができます。
そして複雑な勾配がついた部材の加工を可能にします。
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今回のブログはちょっと難しかったかもしれませんが、
言いたかったことは、
かつて名工と言われた人たちの仕事を、
現代の先進的道具を使えばかなり正確に、
そして難しい仕事もやれるということ。

でも先進的道具は一般的に人間がラクチンするためだけに使われ、
仕事の質が下がっています。
やはり仕事はやる気です。
そして道具は使いよう。
そのような意味でこの仮組をやってくれた大工は、
現代の名工と言っていいでしょう。