津波・地震・原発 Ⅵ

2011.05.23

津波による被災地を見てきた。
被災地と言っても宮城県だけ。
仙台でレンタカーを借り、太平洋側の海沿いを松島から、石巻、南三陸、気仙沼へと北上した。
この辺りは以前、屋根に葺く天然のスレート石を見に行ったことがある程度で、初めての地ばかり。

松島はほとんど被害なし。
周りの地域が壊滅状態になっているのに、ここだけは5月の陽気にのんびりと何もなかったかのよう。
沖の島々が津波を防いでくれたのか。

You Tubeで南三陸をはじめ凄まじい津波の映像を今迄見ていた。
しかし、行ってみたら人影もほとんどなく、あっけにとられるほどに何もない。
それはそうだ、津波でみんな持っていかれたから当然と言えば当然。
それに家々があったころの南三陸を知らないから、無か有を想像するようなものだ。
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しかしかつての街中を歩いていたら赤いジャージーが目に付いた。
誰かのものであったに違いない。
この持主は助かったのだろうか?
やっと被災地の悲しみが込み上げてきた。
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気仙沼では本当に船が陸上に乗り上げていた。
それも何隻も。
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丸一日の慌ただしい視察だったが、
正直に言えば、気が抜けるほどに静かで、
たくさん見た津波の映像や被災者の姿からは程遠いものだった。
やはり僕らは当事者(被災者)ではない。
当事者(被災者)のことは想像力でしか理解できないのだろう。