最近読んだ本「森と日本人の1500年」☆☆☆

2015.04.04

森と日本人の1500年」平凡社田辺淳夫著
Img005_3
現在、日本列島の2/3が森林。
しかしその姿は時代と共に変化してきたことは意外と知られていない。
日本の森は99%人間の手が加えられていて、もとからそこにあったものではない。
その変化を古代から戦後の拡大造林期まで扱い、日本における森と文明の関係史ともいえる本。
戦国時代と明治期はもっとも森林破壊が進んだ時代で、
明治初期には45%にまで落ち込んでいたらしい。
また、1950年GHQは 山林局長を法学部出身の素人でなく、
林学の専門家である「技官」をトップに置くことを勧告したが、
GHQ がいなくなると、官僚が地位を取り戻し、骨抜にしたことのことなど、
森を通して日本という国が見える幅広い視野に立った本。
さらに、森づくりには「美しい風景」という概念が必要、と言い切るところは大いに共感。
そんな概念が通用するときがいつか来て欲しい。