愛媛県 Ⅴ 四国という島

2009.12.23

ここのところ妙に四国づいていて、徳島県、香川県へ。
例の木の建築賞の審査のためだが、
行けば行くほど、四国が面白いところと思うようになる。

今、木造建築の研究が大学だけでなく、
地方の建築家や工務店で盛んに行われている。
研究というと大学の専売特許のように思われるかもしれないが、
小さな工務店、建築家によってリアリティーのある研究がなされている。

土壁は極めてエコな構法だが、
徳島では建築家・戸塚元雄さんのグループによって、
その土壁の耐震性能の研究がおこなわれていた。
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横から力を加えその耐力を調べるもの。

実は土壁の耐力は一概に言えないところがあって、
地域の土よって、またその構法によって耐力は異なる。
従って、地域、地域の土、工法を使って実験を行い、
地域性を考慮した科学的、工学的検証を行うというもの。
ひいてはその実験結果を制度的にその地域に運用することを目指している。

この様な科学的、工学的実験を地域の建築家や工務店がおこなうようになったのは最近のことだが、
とっても素晴らしいことだ。

それにしても四国という島は、
先日紹介した愛媛県の松村正恒さん、
高知県の山本長水、山本恭弘さん、
それに、今回の香川県の戸塚元雄さんと骨っぽい建築家がいらっしゃる。
なぜそのような建築家が四国では排出するのか、
不思議な島だ。