嘘も、本当も、

2010.03.14

京都って、細かいよなー。
何がって?
建築が。
狭い京都盆地にぎっしりと建物が建てられてきたから、
ちょっとしたスペースでも無駄にしない習性が歴史的に作られてきた。
それに都が長いから文化の集積度も高く、設え、室礼もチマチマしたものになる。
ヨーロッパで言うとベネチアもそう。

一年間京都でやっていた学校が終わり、
主催者の方と行った宮川町のバーの庭の写真です。
Tn_rimg6301
この竹林の庭の奥行きはどのくらいあると思います?
5メーター?10メーター?
いえいえ、多分1.8メーターぐらいでしょう。
なぜこんなに深く見えるかと言うと、向こう側と左右の壁全面に鏡を張ってあるからです。

京都ってホントによくやるわい!と感嘆。
ちっちゃな敷地の隅から隅まで生かしている。

一方、奈良だったらこんなことはやらないだろう。
奈良の文化はおおらかで、ズボッとしている。
「それそのもの」で嘘をつかない。
片や京都は嘘だらけ。
嘘というのは言いすぎか、「見せる文化」と言っていいかもしれない。

学校の主催者の方に夜になると、いろんなところに連れて行ってもらったが、
京都は深い!
東京の僕らには窺い知れないものがある。

で、京都と奈良のどちらが好きかと言うと、
どちらも好き。
そのことは嘘も本当も好き、ということになるのだけど、
どちらにも真実がある、
と言った方がいいのかも。