北陸 Ⅱ 魯山人

2014.04.05

北大路魯山人の伝記を読んだことがある。
芸術家として成り上がるためにはどんなことでもやる、ひどい男。
こんなめちゃくちゃな男は見たことがない、と思わせるほどの男、
しかし芸術家としての才能はそんじょ其処らにはいない。
そして成り上がっていく。」
面白くて、一気に読んだことを覚えている。

魯山人は陶芸で有名だが、
ある料亭で魯山人の器で食事をしたことがある。
普通、器は料理を目立たせるために控えめにするものだが、
魯山人の器は逆、それ自体が主張している。
料理を盛る器としてこれで本当にいいのかな?と思わせるところもあるが、
しかし、食卓の上は華やぎ幸せな気分になる。
さすがである。
本を読んでいたから、成る程このような器を作るのが魯山人、と納得した。

今回の北陸の旅行で山代温泉に泊まったが、
この街に若き頃の魯山人作の看板があると聞いて、見に行った。
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須田菁華窯という焼物の店の看板。
魯山人はまず篆刻看板(てんこくかんばん、木を彫った看板)で芸術家としてスタートした。
だからこの看板は彼が焼物や料理をやる前の、若いそれこそギラギラしていたころの仕事。
それにしても、やはり凄い。
ノミを垂直に叩き、欅の目の流れを生かしている。

魯山人の伝記を読みたい人は北大路魯山人(上) (ちくま文庫)
をどうぞ。
面白いですよ。