何てことはないんだけど・・・

2011.08.01

まずこの写真を見てください。
写真のコーナーはどのようにしてヘアライン仕上げにしたか?
不思議、と思いません?
Tn_r0017325
建築の仕事をやっている人だったら誰だって知っていることだけど、
ステンレスの表面に細い筋、、髪の毛(つまりヘア)のような細い筋を、
ワイアーブラシで引っ掻いて表面を仕上げること、をヘアーライン仕上げと言います。

では上の写真の角の部分は綺麗にヘアラインがトメになっているが、
それはどのようにして仕上げたか?

まず考えられることは、
1.あらかじめヘアライン仕上げをしたパイプを45度に切断し、そして溶接した。
しかしこの方法だったら溶接あとが残り、このように綺麗にはいかない。

2.パイプを溶接した後、ヘアライン加工をする。
この方法では、果たして45度の止め加工部分がこのように綺麗にいくか?

先日「家づくり学校」の学生諸君と町工場の見学に行ってその答えが分かった。

答えは、結局2なのだけれども、
下の写真の道具を使ってやります。
Tn_r0017328
まず片方のパイプに適当に広めにヘアラインを付けます。
次に、右寄り上の平たい板を、ヘアラインを施した方に45度の角度を付けて置き、
もう片方にヘアライン加工をする。

写真で見ると、
Tn_r0017324
わかってしまえば、どってことないけど、
コーナーで二つの部材をつないだように見えます。

モノ造りの現場って面白い。
へー、こうやるの、と、
純粋な感動があります。

どこかでコーナーのヘアラインを見たら、
このことを思い出してください。