バレンボイム

2021.06.07

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バレンボイムは大ピアニストにして大指揮者。
現在78歳のユダヤ人で、人生が小説、映画になるくらいにいろいろとあった人だが、
ただ幼少のころフルトベングラーに天才と言わせたほど音楽的才能に恵まれていた人だ。
オペラを指揮した次にはベートーヴェンのピアノソナタ全曲、ピアノ協奏曲全曲をやり、
すぐにまたオペラをと、それも全部を暗譜でやるという超人。
エンジェルスの大谷君が勝利投手になった後、次の日にホームランを打つようなものだ。

そのバレンボイムが、このコロナ禍の中、サントリーホールで、ベートーヴェンの最高傑作、後期のピアノソナタ3曲のコンサートを開いた。
クラシックのコンサートはこのところコロナでなかなか行けず、昨年の3月に アンドラーシュ・シフ のコンサートを聞いて以来。
生、リアルの音はやはりいい。
CDで聴くのとはまるっきり違った世界だ。
細かいフレーズが本当によくわかるし、音がメッチャ美しい、キラキラ輝いていている。
一音一音にイメージが込められ、それを曲全体にわたって、 繊細に緻密 に上下左右前後 関係から練り上げて構成しているのが聞こえてくる 。
しかし、考えに考え一つの音楽を練り上げても、
血肉化し自分のものにしていかなければ音楽にならないない。
これができるのは世界のほんの一握りの天才。
そのような音楽を聞いていると、いつしか音楽と自分が一体となって忘我の世界に入ってしまう。
それこそが音楽の愉悦、幸せな瞬間だ!

そのような世界を作り上げるのは、建築にも通じていると思う。
一か所一か所の小さなディテールをおろそかにしては美しい建築は作れない。
前後左右上下の関係を粘り強く考え続け、全体を構成する・・・・・。
と言葉で言ってもね。

バレンボイムの泉愛用の素晴らしいCDを紹介します。
バッハ 平均律クラヴィーア曲集 全曲
モーツァルト モーツァルトピアノ協奏曲20~27番(特に21番)
ベートーヴェン ベートーヴェン ピアノソナタ全曲(特に30、31,32番)