カンボジアー4

2007.03.29

今回のカンボジア訪問の大きな目的は森本喜久雄さんに会う為。
(森本さんのことは、このブログのDecember 22, 2006にカキコしてますので見てみてください。)
アンコール・ワットのあるシエムリアップの町中の工房や、
そこから車で1~2時間ほど、車がまともに走れないガタガタの道を行った村の工房を案内してもらった。
工房は現在500人ほどのカンボジアの人々を抱えた組織に成長しているそうだ。
村の工房に行った時、ちょうど上棟が行われていた。
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世界中で上棟のセレモノニーは必ず、のようだ。
下の写真の黄色いシャツを着た、ここで働いている織子さんの家の上棟だった。
頭を剃ったお婆さんは内戦を潜り抜けた数少ないクメールの織物技術を持った方。
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彼女は若いが工房のトップクラスの優秀な織子さんだそうだ。
この家は彼女への工房からのボーナスのようなものらしい。
だから、彼女はこの工房で仕事をし続けることだろうが、
このようにしてクメールの織物の伝統が引き継がれるようになる。
森本さんの活動は美しいクメールの織物の復元を目指したものだが、
しかしその美学の達成はこのようなリアリティーがある。
このような美学は力強い。
社会的な広がりがある。

(ちなみにカンボジアは女系家族で女性が家を持っている。
また、女性は老人になるといつ死んでいいように頭を剃るのだそうだ。)

カンボジアの住まいは高床式だ。
村の工房では高床式の土間で機織が行われていた。
外は40度を越える猛暑だが、この土間は涼しい。
鶏や蝉の鳴き、周りでは子供たちが遊び、皆で食事をし、涼しい風が流れている。
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かつて数百万が殺害されたと言われるカンボジア内戦を経た国で、
この工房では、ゆったりとした時間が流れ、
カンボジア本来の生活が呼び戻されようとしていた。