ロマネスクを訪ねて Ⅵ
2017.10.16
前回のサン・マルタン・ド・ロンドル教会から、
サン・ギレム・ル・デゼール修道院(Saint-Guilhem-le-Désert)へ。
ギレムは修道院も圧巻だったが、村も山奥の渓谷にあって美しい。
フランスでも有数の美しい村に数えられているらしい。
古い村で、スペインへのサンティアゴ・デ・コンポステラへ向かう巡礼者が立ち寄る聖地でもあった。
日本とは違い石造りだから、建物の寿命が格段に長い。
中世の世界に迷い込んだようだ。
ギレムの教会の前には広場があり、プラタナスが植わり、カフェテラスの椅子が並べられている。
ちなみに、奥の建物の3階、右側が僕の泊った部屋。
1階はバール。
(このフランス旅行で泊まった宿屋の話は次回に)
街中を歩いていると、こんな仕上げがさり気なくある。
金物の堀商店のレバーハンドルにこんなのがあったような気がするが、こちらがおおもと。
いよいよギエムの修道院です。
ベネディクト会の修道院で、11~2世紀に建てられた建築。
こちらは裏側で、修道院全体の様子がよくわかる。
教会堂の内部です。
小手先を使ったようなところが微塵もなく、ただ石を積んだだけのようにも見える。
だが、心揺さぶられる壁だ。
それは石の質感か、光か、石の積み方か、石工の気持ちが伝わってくるのか、そのいずれも、なのだろうが、
この良さを何と表現したらいいのか、なかなか言葉が見つからない。
静謐、何の衒いもない、いやいや、そう簡単ではない。
ル・トロネから始まり、このあたりに至ってもうロマネスクの虜になってしまった。
あ~、何と美しことか!
ロマネスクは造形的に美しいというだけの単純な世界ではない。
宗教が関与しているからか、人を包み込む優しさ、安心して何かにゆだねることのでる懐の深さがある。
You Tubeでギレムを見つけました。
2分15秒くらいから見ればいいと思います。
ギレムの街の様子