2019 今年読んだ面白い本

2019.12.30

恒例、暮の「今年読んだ面白い本」です。
相変わらずの乱読ですが、
今年読んだ中で最も面白かったのは、

最初の布施英利さんの本は、解剖学という学問があることは知っていても、その何たるやかは全く知らなかった。
解剖学って、世界観、思想なんですね。
へー、そういうことなのか、と思わず膝を叩くような面白い本。
・布施英利人体 5億年の記憶: 解剖学者・三木成夫の世界

2番目の加藤典洋さんの本は、私たちが生きるこの現代を形づけた憲法がどのようにしてできたのか、教えてくれる。
これも、へーそういうことなのか、と現代のありようや、今に抱える問題は、その時に遡ることにあるのか、と思わず膝を叩く本。
・加藤典洋9条入門 (「戦後再発見」双書8)

内田樹さんの本はどれも、いつも難しい話を平易に解説してくれる。
これまでにも随分勉強させてもらった。
・内田樹そのうちなんとかなるだろう

この國分さんも同じく、例えば難解なスピノザ哲学を読むうちにどうにか理解でできるようにしてくれるが、実はこの本も、タイトルは「原子力時に…」となっているが、超難解なハイデッカーの哲学の解説しながら、知らず知らずのうちにハイデッカーの世界を理解させくれる。
・國分功一朗原子力時代における哲学 (犀の教室)

以前から速読が苦手だったが、かの平野さんが遅読の勧めを堂々とおっしゃている。
速読より、遅読だよねー、と納得し、安心した。
・平野啓一郎本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP文庫)

建築系では昨年の中谷さんのセヴェラルネス+(プラス)―事物連鎖と都市・建築・人間に引き続き、やはり同じ中谷さんのこの本2冊。
・中谷礼仁動く大地、まいのかたち――プレート境界を旅する
・中谷礼仁未来のコミューン──家、家族、共存のかたち

最後に僕が初めて本の帯を書かせてもらった松井郁夫さんの、人生をかけた古民家絵の思いを熱く、豊富な知識を開示した本。
・松井郁夫古民家への道