2014年10月の
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山口・島根の旅 Ⅰ 瑠璃光寺五重塔 ☆☆

2014.10.19

ここ十年、秋になると日本各地で開かれる「木の建築賞」の審査会に出かける。
今年は山口県宇部市にある村野藤吾が設計した建物「ヒストリア宇部」で開かれた。
その審査会のことはいずれ書くとして、
審査会の翌日に周辺地域の木造建築の見学会が開かれるが、いつも有意義で楽しい。
今年はバス貸し切りで、歴史的建造物と町並みを周る「山口・萩めぐりツアー」

まずは山口市にある瑠璃光寺(るりこうじ)五重塔。
国宝で室町時代の創建、日本三名塔の一つに数えられる傑作。
この塔をいつか見たいと思っていた。
というのは、周りの何人かに「あれはいいよ、エ~ッ 泉さん見てないの?、」と言われたこともあったし、、
それに、何年か前「見残しの塔-周防国五重塔縁起」という話題になった小説があった。
書いたのは久木綾子さんという方で、この瑠璃光寺の美しさに心を奪われ、
70歳の頃、この小説を書くために宮大工に弟子入りし、パソコンを習い、
書き上げたのがなんと89歳の時だった、とかいう本。
だから瑠璃光寺五重塔の写真を見て、とかではなく、
人をこれだけ虜にする建物ってどんなものだろう、ということからだった。
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で僕の感想だが、屋根の曲線は深く周辺の山々にとけ込んで確かに見事!な造形だとは思ったが、
僕の好みではないなー、と思った。
あまりにも日本の塔らしい良くできた塔、そうだからこそ日本の三名塔の一つに数えられるのだろう。

塔で言えばやはり薬師寺東塔、がいい。
三重塔だけど全体にリズムがある。

まずくないかも

2014.10.04

泉さん、作家は教育に目覚めたらダメね、と言われたことがある。
意味は、作家は人のことより自分がまず一番、人に教えるなんてどうでもいい、ということのようだ。
自分も作家の端くれとして、その意味がわからないわけでもない。
作家は少なからずエゴイストでプライドで生きてるようなもの、そして自分自身が人より少しでもうまくなりたいと頑張り続けるものだ。

ところが最近若い人に教えるのが楽しい。
こりゃ、先の論法から行くと作家としてまずいことになる。
自画自賛になってしまうが、今自分が指導している日大の学生達の成長は凄い。
もう十数年大学で教えているが、これほど気合を入れて設計の授業に取り組んでいる学生たちは初めてだ。
とにかく学生が熱心で、結果どんどん伸び、いい作品を作っている。
しかも落ちこぼれがほとんどいない。
すそ野が広がらなければ高い山にもならない。
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写真のように一人で建築模型を何案も作ってくる。
こうなると教える方も気合が入るし、教えるのが楽しくなってくる。
このような学生達だから将来優秀な建築家が何人も生まれて欲しい。

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