滋賀へ Ⅲ

2018.04.24

比叡山から琵琶湖に向かって降りると坂本という町に出る。
その坂本という街が面白い。
まず、明智光秀の居城があったところ。その坂本城は背に比叡山、前面に琵琶湖、現地に立ってみるとここが天然の要害を備え、たまた交通の要所で戦国時代、重要な拠点だったことがわかる。明智光秀は主君・織田信長を討ったことで、評判がよろしくないが、現地では、領民を愛して善政を布いたといわれる。
またこの坂本、街に行ってまず目につくのが、屋敷を囲うように綿々と美しい石垣が連なる景色。


実は今度の修学旅行の大きな目的の一つは、この石垣を見ることにあった。
坂本には穴太衆という石工集団がかつていくつもあったらしいが、現在は粟田純徳さんという親方だけがその技を引き継いでいる。
日本の城の石垣を直せるのはこの方しかいないらしい。
坂本の街の石積みを見ながら、栗田さんに石積みのことをいろいろと聞かせて頂いた。

実直そうな方で、深く石積みを愛し、その伝統を守ることの責任感を持っておられることをひしひしと感じた。
ところで、この粟田さんのところに、今年卒業したばかりの日大の教え子が弟子入りした。
そしてその子は何と女の子!
私、石工になりたい!という夢に向かって頑張っていたが、粟田さんの下でそのスタートに立つことができたわけだ。
今頃は、もう働き始めていると思うが、厳しい修行に耐え、日本の重要な文化の一つの後継者になってもらえたら、と願っている。