この本凄過ぎ!

2006.02.02

本の名は「マオ」。
マオとは中国革命の偉大な毛沢東のこと。
偉大なと書いたが、この本を読むと偉大などころか史上最大の悪党になってしまっている。
毛沢東に比べたら、スターリンもヒットラーも小粒に見えてしまう。
読んでいて本当にそうなの?そうなの?と思わずにはいられないが、膨大な資料、インタビュウーを元にして書かれたから、かなり真実に近いのだろう。

僕らの若い頃、毛沢東は偉大なる存在だった。文革の後、様々な批判が出てきたが、それでも中国革命を成し遂げた偉大な毛沢東であった。
しかしこの本を読むと、革命が中国の民衆のためではなく、彼自身の欲望のためであったかのようだ。その欲望を達成するために、7000万人もの人間が葬り去られてしまう。
真実だとすれば、僕らは何と誤解していたのだろう。時代を読み解くことがどんなに困難なことか思い知らされる。
また、国家間の力学関係が陰謀策略の元に動いていることも思い知らされた。その策謀の多くがほとんど知られないままに歴史から葬り去られてしまうのだ。
平和ボケの日本人は、もちろん若い人も含めて一度読んでいたほうがいい本だ。
RIMG6807_4_thumb